JLPT文法解説:しまつだ 始末だ N1┃「あげく」との違い

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用法

接続

Vジ+始末だ/始末で
   V:する+始末だ/始末で
   A:なし
 Na:なし
   N:なし

 

意味・使い方

1.「~始末だ」の形で「~という悪い結果になった」と言いたい時に用いる。

 

2.漢字表記で用いることが多い。

 

3.「始末だ」の形で文末に持って来て用いるが、「始末で」「始末な(+のに)」など形を変えて文中に持って来ることもできる。

例:「俺がこの山を案内してやるよ」といきがっていたのに、しまいには「どうしよう」と聞いてくる始末で、私達はたった半日で遭難したのだ。

 

一緒によく使う言葉

「~たあげく~始末だ」「せっかく~のに、~始末だ」

例:せっかく訓練したのに、実力は戦うまでもないと言われる始末だ。

 

参考文型:「すえに N2」

すえに N2

 

比較文型:「あげく N2」

1.「あげく N2」は必ず文中で使われるが、「始末」は文中でも文末でも使える。

例:そんなギャンブル依存症の彼氏とは別れなさいと親だけじゃなく、友達にまで言われ ✕たあげく 〇る始末だ。

 

2.「あげく」は後件で悪い結果を述べるが、「始末で」はそれができない。

例:彼と5年も付き合 〇ったあげく ✕う始末で 別れた。

 

3.「始末で」は「始末で」よりも前の文を受けて、どうなったのか、どうしたのかを述べる継起の用法になる。だから、後ろの文が悪い結果で、かつ前後の文の関係が継起であれば、両方〇になる。

例:「俺がこの山を案内してやるよ」といきがっていたのに、しまいには「どうしよう」と聞いて 〇きたあげく 〇くる始末で 、私達はたった半日で遭難した。

 

例文

そんなギャンブル依存症の彼氏とは別れなさいと親だけじゃなく、友達にまで言われる始末だ。

綿棒を上下逆さまのまま持ち上げたらこの始末だ。

悪いほうの知名度が高まっている始末だと思います。

うちは親自身がタトゥーだらけだし、姉が髪染めたり耳に穴開けたりするのを協力してた。それをはたから眺めてる私に「あんたは開けないの?」とか言ってくる始末だ。

テキストは開いているだけで全然進まないし、結局寝落ちする始末だ。

何度も頑張ってようやくきれいに染められたと思ったのに、サイヤ人だと言われる始末で、落ち込むばかりだ。

せっかく訓練したのに、実力は戦うまでもないと言われる始末だ。

味は大丈夫?って大丈夫なわけあるか!こちとらまずすぎて失神しかけるし始末だよ!

下手に出過ぎてたせいで、軽く見られる始末だから、こっちも対応を変えようかと考えている。

相手に非があることがようやく判明し、謝罪だのあなた様だのクレーマー処理みたいな対応を始める始末で、馬鹿らしくなって電話を切った。

「俺がこの山を案内してやるよ」といきがっていたのに、しまいには「どうしよう」と聞いてくる始末で、私達はたった半日で遭難したのだ。

先輩からはまだまだ働きが足りないとムチを打たれる始末で、あの頃はほんとに命削って生きてたと実感できる。

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