【にほ×ナゾ】解答・解説┃問7~

あきのTwitter(@nihonazo)にて、授業で使える謎を制作・紹介しています。

日本語レベル、謎解きレベルも載せておりますので、目安にしてください。

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当サイト管理人による、日本語教師養成個人レッスンの詳細はこちら

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問7「「日本」は「ある」ですか。「ない」ですか。」

日本語レベル:★★★★☆
謎解きレベル:★★★★☆

この問題は少々「ひらめき」が必要です。

 

活動例
T:「習慣」は「ある」です。「文化」は「ない」です。
S1:???
T:言葉の意味は、関係ありませんよ。
S2:もっとヒントをください。
T:漢字じゃなきゃ、解けません。
S2:え~!
T:(「会社」を指し)これは何ですか。
S2:「しゃかい」です。
S1:え?「かいしゃ」ですよ。
S2:あ、そうですね。(……!!)あ~わかりました!

解答
「ある」

解説
「ある」の漢字は、「習慣」「慣習」、「会社」「社会」、「科学」「学科」、「定規」「規定」のように、漢字の左右を入れ替えてもことばが「ある」ものでした。「日本」は「本日」になりますから、「ある」が正解です。
学生に漢字を読ませると、「慣習」を「しゅうかん」と読んだり、「会社」を「しゃかい」と読んだりすることがたまにあります。これはおそらく、単漢字をもとに熟語を読んでいるのではなく、「習と慣を使ったことばは「しゅうかん」だな」「社と会があれば「しゃかい」だろう」と、雰囲気や予測で読んでいるからではないかと思います。
今回の問題のように漢字の並びかたで意味が全く違うものになることもありますから、よく注意させる必要があるでしょう。

少し難しい漢字や語彙が使われていますが、全ての漢字・語彙がわからなくても、問題を解くことはできます。終わった後に読み方や意味の確認をすれば、勉強にもなって一石二鳥ですね。

問8「①②③④=????」

日本語レベル:★★★★☆
謎解きレベル:★★★☆☆

「謎らしい謎」を作ってみました。

 

活動例
T:〇には、ひらがながひとつ入ります。これ(「髪」)は、三文字のことばです。同じ数字の〇には、同じひらがなが入ります。
S1:先生、「髪」は「かみ」で、2文字ですよ。
T:そうですね。だからこれは「かみ」じゃありません。
S2:ええ~?じゃあなんですか。
T:よく見てください。左の漢字は、何が違いますか。
S1:色?
S2:しろ、かみ・・・くろ、いた・・・ああ!

解答
「がくせい」

解説
左側の漢字と色を組み合わせて出来ることばが、右の〇に入ることばです。つまり、「白+髪⇒しらが」「黒+板⇒こくばん」「赤+道⇒せきどう」「青+春⇒せいしゅん」となり、該当する数字のひらがなを拾うと「がくせい」となります。謎を解きなれていない場合、〇にひらがなが一つ入るという前提は、はじめにおさえておくといいでしょう。
言葉の産出のルールを見せるために別の漢字を使ってひとつ例を提示したり、右のことばの一部をひらがなで表示したり、「板⇒こくばん」「⇒せきどう」「⇒?」のように答えを一つだけ考える形式にしたりすれば、謎解きレベルを下げることができます。また、今回は音読みのことばを多くしたのですが、色は訓読みのほうがなじみがあるため、「(⇒あおぞら)」など、訓読みのことばのほうがひらめきやすいかもしれません。

日本語には、色を使った言葉がたくさんあります。学生のレベルに合わせて、色々な問題を考えてみると面白いでしょう。学生のレベルが高ければ、同じような問題を作らせて学生同士でやらせてもいい刺激になるのではないでしょうか。

【コラム】謎解き能力検定

「謎解き」にも、能力検定があるのをご存知ですか。前回のコラムでご紹介した「リアル脱出ゲーム」を運営する会社が主催している「謎解き能力検定(通称:謎検)」というもので、年に2回、開催されています(2019年7月現在)。

「謎解き能力検定」公式ホームページ

「能力検定」と聞いて「うっ…」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この検定は、合格不合格ではく、自分自身にどの程度「謎解き力」があるかを知るためのものですので、どうぞご安心ください。試験時間は60分、50問(第5回は100問)の謎を解き、「ひらめき力」「注意力」「分析力」「推理力」「持久力」の5ジャンルで「謎解き力」を判定します。

普段、学校で試験を受けさせては「問題をよく読んで」「時間配分を考えて」「ケアレスミスをしないで」と繰り返しているのに、いざ自分が試験を受ける側になると、そういった余裕を持つことがいかに難しいかがよくわかります。「ひらがなで」と書いてあるのに漢字で答えたり、ひとつの問題で悩んで最後までたどりつかなかったり、答えは合っているのに選択ミスをしていたり…。そして、そういった余裕のなさで点数を落とすことの悔しさもまた、身に沁みてわかります。学生の気持ちを理解するためにも、ぜひ受験されてみてはいかがでしょうか。

過去問集も販売中です。ちなみに、過去問シリーズでは2018秋(緑色)が比較的易しめだと思います。

最近では、小学校の主要五教科の知識を使った謎検も実施されています。

コメント

  1. 初めて訪れました。
    面白いと思ったので自分も問題を作ってみました。

    あるない問題です。
    左が「ある」、右が「ない」

    女子 男子
    中心 中点
    大小 長短
    毎日 毎月
    人口 人数
    大口 小口
    日月 年月

    「ある」方の漢字を部首にすると、







    というように1つの漢字になる。
    日月(にちげつ)がちょっと難しいでしょうか?

    • なるほど、おもしろいですね。
      忠尖晦あたりが外国人にとっては難しいかもしれませんが、今度上級クラスで試してみようと思います。
      アイディアありがとうございます。