39課教案 ~て(原因) ~くて/~で、~ ので

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教案

て形、~ N4 【心・気持ち・原因(後件感情)】

- 教える際の留意点-

1.原因を表す文型である。

2.後件に意志表現は来ない。使える語はかなり少ない。「びっくりする・安心する・うれしい・悲しい・恥ずかしい・がっかりする・寂しい・気持ちがいい/悪い・困る・残念だ」などの感情を表す言葉を中心に扱う。

3.意志表現の代表的なものに、「私は~ます」というのがあるが、これが「私は~ました」になると意志表現を含まないものとなる。その場合事実を描写しているだけなので、意味を含むか含まないかは関係がなくなる。例えば、以下の文、

(私は)恋人の声が聞きたくて、恋人に電話しました

「電話する」は意志表現だが、「電話しました」と過去時制になっているので、事実の描写になる。「電話する」意志表現、「電話しました」無意志表現となる。難しいので、教師が知っておくだけでいいし、学習者にも教えないが、例文を提出する際は注意すること。

導入・練習

◆導入

T:あ、今日はS1さんがいますね(嬉しそうなジェスチャー)
S:はい、今日は久しぶりに来ました。先生、嬉しそうですね
T:はい、S1さんが学校へ来ましたから、嬉しいです

S1さんが学校へ来ましたから、うれしいです。

T:今日はこの「から」の違う言い方を勉強します。来ました「から」嬉しい、来て嬉しい、です

 

S1さんが学校へ来て、うれしいです。

T:これは私の父からの手紙です。まだ読んでいません
S:何を書きますか
T:読みますね。・・・え!
S:どうしましたか
T:父が、クビになりました

「クビになる」は未習語ですが、学習者のほとんどは知っています。

S:え
T:(泣きながら板書)

 

父がクビになりましたから、  ?  

S:なって
T:そうです。じゃここは?(と言って ? を指す)
S:悲しいです

 

T:あ、でもまだあります。・・・え
S:どうしましたか
T:父は新しい仕事を見つけました

父が新しい仕事を見つけましたから、  ?  

S:見つけて
T:そうです。じゃここは?(と言って ? を指す)
S:嬉しいです

父がクビになって、悲しいです。
父が新しい仕事を見つけて、嬉しいです。

◆別パターンの手紙での導入。学生に見えるところに「母より」と書いてある、拡大した手紙を見せる。
T:(手紙を出し、読みだす)え~!
S:どうしたんですか
T:母が…母が…、入院しました。
手紙を読みます・びっくりしました
T:(手紙を出し、読みだす)あ~よかった・・・
S:どうしたんですか
T:母が…母が…、退院しました
手紙を読みます・安心します

母が入院して、びっくりしました。
母が退院して、安心しました。

ペットが死んで、悲しかったです。
ダメだと言われてがっかりしました。
先生に会えて、嬉しいです。
ゴキブリを踏んで、気持ちが悪かった。
元気で安心しました。
結婚してと言われて嬉しかったです。

注意しないといけないのは、ここで説明が終わると学習者は「なるほど、理由の「から」は「て」と同じなのか」と誤解をしてしまうことです。必ず以下の説明も行いましょう。
T:じゃこれはいいですか
私はお金があって、車を買います。

S:いいです。「から」は「て」です
T:ダメです。ここを見てください(と言って「車を買います」を指す)。これ(買います)は気持の言葉ですか、気持ちの言葉、嬉しいです、悲しいです、びっくりします
S:いいえ
T:「~て」の後ろは気持ちの言葉だけを使います

気持ちの言葉=無意志動詞なのですが、もし36課で無意志動詞に触れていない、または触れていてもそれを提出することで混乱を招きそうであれば、簡単に「気持ちの言葉」と言ってしまっても構いません。
しかし、後ほど「気持ち」という言葉だけでは片付かない「難しくて、わかりません」や「声が小さくて、聞こえません」といった文が出てきてしまうので、遅かれ早かれ無意志表現という言葉は言わなければならなくなります
とりあえずこの時点では気持ちの言葉、後で無意志表現を使うという順番で教えてもいいと思います。

無意志動詞のない形+くて、~ 【原因】

- 教える際の留意点-

1.できるクラスでなければ「~くて」の前が無意志である事は触れない。
L39無意志Vなくて
後件はA・Na・V(可能動詞・状態動詞)。
 手紙が来なくて、悲しい。

L34意志Vないで
後件は動作動詞のみ。

二者択一/付帯状況
 ごはんを食べないで、出かけた。

「~くて」の前が無意志である事は触れない方がいい理由は下の図を見てもわかる通り、複雑だから。

T:最近寂しいです
S:どうしたんですか
T:私の家族は大阪にいます
S:私の家族も韓国にいます
T:寂しいですね

   、寂しいです。

T:どうして寂しいですか
S:家族に会えませんから、寂しいです

 家族に会えません 、寂しいです。
 家族に会えなくて 、寂しいです。
T:S1さん、この間の誕生日に何をもらいましたか
S1:何ももらいませんでした
T:私もです。とても
S1:寂しいです
何も もらえません 、寂しいです。
何も もらえなくて 、寂しいです。
他の例文:
N3に合格できなくて、がっかりしました。
月曜日は先生がいなくて、寂しいです。
道がわからなくて、困りました。
上手にできなくて、恥ずかしかったです。
 

Aくて/Naで、~  【原因・理由】

- 教える際の留意点-

1.前件は後件の原因を表す。後件に意志を含んだ表現は来ない。

2.後件に意志を使う誤用が多い。以下の文は誤用なので、注意すること。
 うるさくて、×寝ません 〇寝られません。

3.気をつけないとL16形容詞の並列の用法になってしまうが、実際原因か並列か見分けがつかないものもある。例えば、「このジュースは冷たくて、おいしいです」という文において、「どうしておいしいのか、冷たいから」ともとれるし、「ジュースが冷たい、そしておいしい」ともとれるので、あまり厳密に考え過ぎたり、分けさせたりしなくてもいい。

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導入・練習

◆先に可能動詞の否定形を30ぐらいフラッシュカードでやっておくと授業がスムーズに進む。

T:これの可能は?(「かきます+〇」というフラッシュカードを見せる)
S:かけます
T:じゃこれは?(「かきます+×」というフラッシュカードを見せる)
S:かけません
T:これは?(「よみます+×」というフラッシュカードを見せる)
S:よめません

◆導入
T:(聞こえない声量で何かを言う)
S:先生!聞こえません!
T:え?どうして?(これはギリギリ聞こえる声量)
S:声、小さい!もっと大きいお願いします。
T:(いつもの声量で話す)そうです、聞こえません。どうしてですか。
S:声が小さいですから。
T:声が小さいです「から」。今日は「から」の別の言い方を勉強しました。何ですか。
S:て
T:そうです。手紙を読ん、びっくりしました。じゃ、「小さいです」、これは?
S:小さくて
T:そうです

声が小さくて、聞こえません。

T:どうして聞こえませんか。
S:声が小さいですから。
T:声が小さくて、聞こえません。

T:じゃ次はこれを見てください。今日の大切なところです。(と言ってホワイトボードに小さく文字を適当に板書する)
S:先生!小さいです
T:小さいです?
S:小さくて、見えません

小さくて、見えません。
T:これを見てください(「世界一 難しい 漢字」で検索して出てくるような難解な漢字を見せる)
S:うわー漢字ですか
T:そうです。これも漢字です。何と読みますか、陳さん
S1:わかりません
T:中国人でもわかりません。これはとても複雑です。複雑ですから、わかりません
S:複雑で、わかりません
 
複雑で、わかりません。

◆「Aくて/Naで、無意志の文」にする練習。前件/後件作成問題も入れる。前件の形が「~でした」や「~かったです」など過去形でも全て「~て/で」になる。難しければ、全て「~です」でもいい。

  • 説明が複雑でした・全然わかりません
  • 人が少ないです・休めません
  • 新聞は漢字が多いです・  
  • 韓国料理は辛かったです・  
  • 家は駅から近いです・  
  • アルバイトは給料が高いです・  
  • アルバイトは暇でした・  
  • 先生は  、好きです
  • 先生は  、嫌いです

◆Aからの誘いに対して理由を言って断る練習
A:今晩映画に行きませんか。
B:今晩ですか。ちょっと都合が悪くて……。
A:行けませんか。
B:ええ、すみません。また、今度お願いします。

Nで~ 【原因】

- 教える際の留意点-

1.名詞の場合は、よくない事・出来事「事故、事件、出来事、災害」などが原因で、ある事態に至ったことを表す

地震/火事/雨/事故/風邪で、 ? 

2.「ので」の後ろに読点は「みんなの日本語」ではない。

導入・練習

◆「亡くなる」など死に関する話題はクラスが暗くなるので避けがちだが、この課を逃すと他の課で効果的に「死ぬ」などの言葉を使う機会がない。それから、この文型は悪い状況によく使うので、むしろ積極的にそういった言葉やマイナスなイメージを使った方がいい。

T:この間、駅前で火事がありましたね。見ましたか
S:見ました
T:人が亡くなってしまいました。3人亡くなりました

火事3人亡くなりました。

T:どうして亡くなりましたか。
S:火事がありました。
T:火事がありましたから、火事で、亡くなりました。な形容詞、「大変」「複雑」は?
S:大変で、複雑で。
T:名詞は?
S:火事で。
T:同じです。

T:来週は〇〇(課外活動や卒業旅行など)です。でも今台風が来ています。
S:え、先生、中止ですか。
T:わかりません。台風で、中止になるかもしれません。

台風中止になるかもしれません。

T:S1さんはどうして昨日/先週休んだんですか。
S1:風邪で、休んだんです。
T:いいですね。風邪で

 

風邪休んだんです。

T:S2さんは今日どうして遅刻したんですか。
S2:電車の遅延で、遅刻したんです。

 

電車の遅延遅刻したんです。
「遅延」は電車の多い地域に住んでいれば初級の学習者でも知っている単語です。

 

 

Vフ+ので、~ N4 【理由】

- 教える際の留意点-

1.「ので」は聞き手に対するインパクトが弱いため許可を求める際の理由や弁解を柔らかく表現する時に用いる。

2.この「ので」で一番やりたいのは許可を求める表現。ここを強調して、練習も多めに行う。

3.ふつう形と接続すると教えるが、実際は丁寧形とも接続する。聞き手に対する丁寧さを表せる。

4.な形容詞と名詞はなかなか定着しないので、よく練習しておく。

導入・練習

◆「どうして」を使い、「から」が出やすい状況を作り、導入する。
T:皆さんはカラオケに行きますか。
S:よく行きます。
T:どうしてよく行きますか。
S:好きですから。
T:そうですか。実は私もカラオケが好きなので、よく行きます。

カラオケが好きなので、よく行きます。

S:「ので」「から」何が違いますか。
T:意味は同じです。でも、「ので」はもっと丁寧です。後でもっとたくさん説明するので、ちょっと待ってください。


ロシアに5年住んでいたので、ロシア語が少し話せます

T:~さん、納豆は食べられるようになりましたか
S:いいえ、まだです
T:どうして食べないんですか
S:おいしくないです、食べません
T:私は毎日食べます。おいしいですから。

おいしいですから、食べます。
おいしくないですから、食べません。
T:「から」は?
S:「ので」
T:おいしい・・・?
S:おいしいので
T:おいしく?
S:おいしくないので、食べません。
T:体に?
S:体にいいので
T:私は納豆が好き?
S:好きので
T:好きなので。じゃ、好きじゃ?
S:好きじゃないので
T:好きな食べ物です
S:好きな食べ物なので
する/しない/した/しなかった+ので
おいしい/おいしくない/おいしかった/おいしくなかった+ので
好きな/好きじゃない/好きだった/好きじゃなかった+ので
食べ物な/食べ物じゃない/食べ物だった/食べ物じゃなかった+ので
S:先生、それは何ですか。
T:花です。
S:どうして花を持っていますか。
T:今日は妻の誕生日なので、花を買って帰ります。
妻の誕生日なので、花を買って帰ります。

T:このネックレスもあげます。
S:素敵です。
T:とても高かったです。9万円です。
S:高いですね。
T:高かったです。貯金しました。

高かったですから→   、貯金しました。

T:皆さんはマクドナルドへ行く前に、予約しますか。
S:しません。
T:今日はこの高いレストランへ行きます。予約が必要です。高いレストランへ?
S:高いレストランへ行くので、予約しました。

 

◆「から」「ので」違いを説明する。

S:先生、「ので」はもっと丁寧です。他に何が違いますか。
T:「ので」はごめんなさいとお願いしますの時、よく使います。例えば、S1さんが電車が止まりましたから、遅刻しました。何と言いますか。
S:電車が止まったので、遅刻しました。

電車が止まったので、遅刻しました。

T:でももし「電車が止まりましたから、遅刻しました。」と言ったら、ちょっと失礼です。

ここからは教師の腕の見せ所です。演技力で「から」と「ので」の違いを説明します。不良みたいな立ち振る舞いで乱暴に「電車が止まりましたから、遅刻しました。」と言います。その後、品行方正な態度で「電車が止まったので、遅刻しました。」と言います。私はこれまでこのやり方で「「ので」はより丁寧」を教え、学生も理解できています。

◆「ので」がよく使われる場面「謝罪」「依頼」を提示

T:「ので」は「から」です。理由ですね。そして、「ごめんなさい」の理由を言う時にもよく使います。例えば、S1さんのテストが5点でした。先生は注意します。S1さん!どうしてテストは5点ですか!S1さんは何と言いますか。
S1:アルバイトが朝までありました、あったので
T:アルバイトが朝まであったので、テストが悪かったです。S2さんが遅刻しました。先生が注意します。S2さんは何と言いますか。
S2:すみません、電車が遅れたので、遅刻しました。
T:「ごめんなさい」の時、「から」よりも「ので」の方がいいです。

T:それから、「お願いします」の時もよく使います。例えば、S1さんが作文を書きました。でもいいかどうかわかりません。先生に何と言いますか。
S1:作文を書いたので、チェックしてください。
T:トイレへ行きます、先生に何と言いますか。
S:お腹が痛いので、トイレに行ってもいいですか。

ので
「ごめんなさい」
電車が遅れたので、遅刻しました。

「おねがいします」
お腹が痛いので、トイレに行ってもいいですか。

◆後件を「てもいいですか」に変える練習
T:お腹が痛いです・トイレに行きます・てもいいですか。
S:お腹が痛いので、トイレに行ってもいいですか。

◆前件が「Nで/Vて、~ので」となるように組み合わせる練習

雪です・新幹線が止まりました・会議に遅れました
雪で新幹線が止まったので、会議に遅れました。

T:どうして新幹線が止まりましたか。
S:雪
T:じゃどうして会議に遅れましたか。
S:新幹線が止まりました
T:雪なので新幹線が止まったので、会議に遅れました。いいですか。
S:ダメです。2回ダメです。
T:そうです。でも理由が二つあります、二つ言いたいです。「~て/で」を使います。これも理由ですね。

もし余裕があるクラス、またはビジネスパーソンに教えているなら、「ので」がふつう形だけでなく、ていねい形にも接続することにも軽く触れてもいい。実際ていねい形+のでの形もよく使われている。
明日子どもの卒業式があります ので 早退してもいいですか。

T:明日子どもの卒業式があります、ので、は?
S:あるので
T:そうです。「ので」の前はふつう形です。でも、実はていねい形もいいんです

 

明日子どもの卒業式がありますので、早退してもいいですか。

T:ありますので、これもOKです。「あるので」より丁寧です。

◆他、例文

泳ぐのが下手なので、海へ行きません。
まだ19歳なので、たばこが吸えません。
今晩はパーティーなので、お酒をたくさん買っておきます。

新出語

  • うれしい:楽しいとの違い
  • 焼けます:食べ物は調理される、家は火事で一部分が焦げる意味。
    燃える:外見的なものに焦点。
    焼ける:内面的なものに焦点。
    ・魚が?燃えた〇焼けた
    ・〇燃える×焼けるようなバラの赤
    ・肌が×燃えた〇焼けた
    ・仕事への情熱に〇燃える×焼ける
    見る箇所に違いがあるということもできる。
    燃えるは「炎」、焼けるは「燃えている物体」に焦点。魚が燃えたというと炎は上り食べられない。魚が焼けたは火が通って食べられる状態を言う

授業記録

意志無意志

そもそもなぜ「食べます」が意志で「食べられます」が無意志になるのか理解できていない学生が多い。可能にはそれ自体で状態を表す効果があるためである。これ以降もまだまだ意志無意志を意識させる文型は出る。

【画像】完全攻略!意志動詞・無意志動詞とは
意志、無意志? 動詞には人の意志を含むもの、そうでないものとで二分することができます。 「食べる」は意志を含む動詞で意志動詞です。「(雨が)降る」は意志を含まない動詞で無意志動詞です。 それでは簡単なクイズをしてみましょう。「食べる」...

~て、感情

感情のところに「嬉しい」が来るのか、「楽しい」が来るのか。詳しくはこちらを読んでいただきたいのだが、これの誤用が後を絶たない。いくつか紹介する。

①日本語を勉強して、×嬉しいです ×楽しいです
②パーティーをして、×嬉しいです ×楽しいです
①②はどちらも×。この誤用を予測して、L38で「~のは楽しい・嬉しいです」を教えておく。

・日本語を勉強するのは ×嬉しいです 〇楽しいです
・パーティーをするのは ×嬉しいです 〇楽しいです

「嬉しい・楽しい」違い 属性・感情形容詞
本記事では、形容詞をイ形、形容動詞をナ形と表記することがある。 形容詞には種類が2つある。 嬉しい=感情形容詞  楽しい=属性形容詞 属性形容詞・感情形容詞とは そもそも形容詞とは何なのか。形容詞は大きく2つに分けられる。 属...

考察

「ございますL50」の現在ふつう形は「ござる・ござらない」。これに「ふつう形+ので」を足すと

〇お時間もございませんので、~
?お時間もござらないので、~
?お時間もござるので、~

になる(授業では触れない)。

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