37課教案 「受身動詞」 直接/間接受身 ヴォイス

教案
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教師用メモ

受身の実用性

この受身の形は中級で大変多く使われる。なぜなら、日本語には主語を言わずに文を作ることが多く、その際この受身の文が使われるからだ。

使役受身

使役受身(N4)はみん日初級では扱っていない。形が複雑で、時々学生から「使役と使役受身の違いは何ですか」と聞かれるので、こちらのページで形や用法の違いを確認しておくこと。

呼び方について

可能動詞と受身/尊敬動詞、使役動詞、使役受身動詞は上位語であるため、「可能形」「受身形」「使役形」などとは正確には呼ばない
例えば。可能動詞のて形は「食べられて」、受身動詞の条件形は「食べられれば」という風に呼ぶ。だから、「可能形のて形は食べられて」という言い方はしない。しかし、そこまで厳密にしている先生も少ないので、「可能動詞」と言わず、「可能形」と言っても構わないし、統一が面倒なら「かのう」「うけみ」「しえき」などと呼べばいい。

受身動詞の作り方

変換練習はFC(フラッシュカード)が便利です。以下のリンクを押すと、無料でダウンロードできます。形式はpdfです。

FCはこちら➔37 FC 受身動詞

可能、受身、尊敬は一部同形で、混乱しやすい。さらに、ら抜きも実社会で多く聞かれ、学生からも
S:日本人は「着れます」と言います。でも学校で「着られます」勉強します。どっちがいいですか
と聞かれることもあるので、以下の記事で予習しておくことを強くすすめる。

ら抜き言葉・れ足す言葉について
ら抜き言葉(以下、ら抜きと表記)のメカニズムについて、徹底的に解説していきます。ら抜きの解説の後にれ足す言葉について解説します。 ら抜き一覧 まずはら抜きの例を見てみましょう。 寝(ら)れる 起き(ら)れる 食べ(ら)れる 見(ら)れ...

相互動詞

受身を相互動詞で使うことができない。

×私は恋人と/にケンカされました
×私は恋人と別れられました
×私は恋人に「嫌い」と話されました
〇私は恋人に「嫌い」と言われました

上3つは相手と一緒に行う行為なので×

教案

私は<人>に受身動詞 N4 【直接受身】 私は<人>にNを受身動詞

- 教える際の留意点-

1.受身は、人が私に行った行為を、その行為を受けた側(私)の立場から表現する。

2.受身動詞を用いた受身文の主題は人であり、動作主は助詞「に」をつけて示す。
例:母に褒められた。

3.「聞かれます」「頼まれます」などは受身動詞であること、受身動詞は2グループ動詞である事、受身文は行為を受ける側(私を・私に)から見た物事の叙述描写であることを説明。

4.「私は」に限定して練習すること。

5.迷惑の意味が極力出ない動詞で授業を行う
動詞(褒める・しかる・起こす・見る・誘う・招待する)
動詞(質問する・聞く・頼む・注意する・紹介する・言う・申し込む・知らせる)

6.導入時の失敗談
「人は 人を 褒めました」という形がメインの形だが、最後に「①人は ②人を ③Nに ④誘う」の形がある。つまり、助詞が一つ増えるのだ。
これを4つに分解して教えたところ、学習者に混乱が生じた。分解するなら【①人は ②人を ③Nに誘う】と3つに分解し、助詞「に」を取る動詞は何でもいいと教えるといい。

◆導入

①S1の字のうまさを褒める

T:S1さんは字がきれいですね
S1:ありがとうございます
T:私S1さん褒めました。私、先生は褒めました。じゃ、S1さんは?
S1:私は先生を褒められました
T:先生褒められました(リピート)

私は 先生  褒めました。
         ↓
私は 先生に 褒められました。

 

ヴォイスを示す画像

上の画像のようなものを見せる。上の画像をそのまま使ってもいいが、使う際は「行為者」と「発話者」の部分を消すように。学習者は見なくてもいい部分。

他、使えそうな状況

  • 私語をしているS1を叱る➔叱られる
  • 寝ているS1を起こす➔起こされる
  • S1に仕事を頼む➔頼まれる

ここでは使える動詞が少なく、おもしろくないです。おもしろくないついでに徹底的に活用練習をし、次の学習項目に備えておくといいです。

◆文末をいろいろなパターンで練習する。まずはAさんとBさんが会話している絵カードを見せる。

T:Aさんは遅刻しました。AさんはBさんにこう言います。「Bさん、遅かったですね。どうしたんですか」、Bさんが言います。「すみません。さっきおじいさんに道を聞かれたんです」

上のAさんBさんの会話のように、遅れた理由を受身を使って説明する会話練習。できそうなら学生に自由に会話を作らせる。遅れた理由だけじゃなく、様々な事情を説明させる練習に発展させてもいい。

◆疑問詞「いつ」や「どこ」を用いた会話練習を行う

何かいいことがあったんですか。

ええ。鈴木さんにデートに誘われたんです。

よかったですね。いつですか。

明後日です。

(自由回答)

私は<人>にNを受身動詞  【迷惑/所有物の受身】

- 教える際の留意点-

1.AさんがBさんの所有物などに対してある行為をし、その行為をAさんが多くの場合迷惑に感じている事を表す。

2.難しいが、日本人はあまり能動文で言わない、と受身を勉強する意義をしっかり教授
△泥棒は私の財布を盗りました
◎私は泥棒に財布を盗られました

3.「私は」に限定して練習すること
参.L24「てもらう」
間接/迷惑と言い方があるが、ここでは間接の迷惑はしない。以下教科書で扱わない例文

  • 雨に降られた
  • 昔の恋人に結婚された
  • 子どもに死なれた

「荷物を間違えられた」はある。つまり、実体がないものはL37では扱わない。

 

導入・練習 ◆「てもらう」と比較しながら導入

T:私は弟と兄がいます
S:そうですか。おいくつですか
T:~歳です。兄は嫌いですが、弟は好きです
S:ええ、どうしてですか
T:これを見てください(壊れたカメラの写真を見せる)
S:うわあ
T:兄が壊しました・・・
T:「兄は私のカメラを壊しました」は日本語であまり言いません。

△ 兄は私のカメラを壊しました。
◎ 私は兄にカメラを壊されました。

◆【迷惑only】
「誰/何かが部屋に入りました」→「誰/何かに部屋に入られました」
※「誰か」「何か」が少し難しいので、文字カード機械練習後にやる

◆A旅行はどうでしたか B楽しかったけど、大変でした A何かあったんですか Bええ。空港で荷物を間違えられたんです Aそれは大変でしたね

◆「てもらう」との比較

T:でも、カメラは弟が直しました。私は嬉しいです。嬉しい時はよく何と言いますか。「直し・・・?」
S:直してもらいました

◆文字カードを見て、感謝ならテモラウ、迷惑ならラレルの変換練習

T:(「パンを買いました」と書かれた文字カードを見せる)パンを?買われました?買ってもらいました?ありがとうですから。
S:パンを買ってもらいました
T:じゃこれは?(「財布を取りました」と書かれた文字カードを見せる)
S:財布を取られました
以下、様々な文を見せて、学生に変換させていく。

<物/こと>が~(ら)れます

- 教える際の留意点-

1.発明した人や建てた人は重要ではなく、事柄や事実が大事である事を受身で表す。また、人が複数いる場合なども特定できないのでこれを使う。

2.しかし、発明・発見した人が一人という場合もある。その場合は「によって」を使うが、みんなの日本語の2版ではニヨッテは扱わないので、1版を使っていた人は注意。

3.できるだけおもしろく、ポップなPCなどを使用し盛り上げる。

4.37課までの使用可能語彙:
られた:建てる・行う・壊す・造る・開く・選ぶ・翻訳する(言葉に)(小説を)・発明する・発見する。

T:皆さん、ここを知っていますか(〈地元のランドマーク〉の写真を見せる)
S:ああ、日本自然公園です!
T:いつもサッカーをしますね。学校の近くにあります。ここは誰が作りましたか
S:わかりません。誰ですか
T:わかりません
S:ええ
T:誰が作りましたか、わかりません。作りました、作られました。受身を使います

T:じゃいつ作りましたか
S:わかりません。いつですか
T:1960年です。時間は「と」「に」「が」「の」、どれですか
S:に

◆【やった人が複数いる場合】文末の動詞を受身に、助詞ヲはガに直す練習
・お寺を建てました→お寺が建てられました
・1900年に建てました→1900年に建てられました

<物/こと>は~(ら)れます 【主題化・会話内での受身】

- 教える際の留意点-

1.【~が受身動詞】だったのに、なぜ【~は受身動詞】になるのかL29でも触れたが、ここのはまた違うハ・ガの説明をした方がいい。

2.簡単に「質問の時は「は」を使う」と説明する。

3.?2020年に東京でオリンピックは開かれます。
(↑非文ではないが、オリンピックは開かれるが、別の何かは開かれない、という無駄に含みのある文が出来上がってしまう)

これについてはこちらの助詞「は」「が」の用法 違いと使い分けで詳しく述べているので、参照のこと。

【画像】助詞「は」「が」の用法 違いと使い分け
6つの用法 ①名詞修飾 ②対比 ③最低限(予想以上のモ) ④目前・話題(取り立てのハ)用法 ⑤強調 ⑥既知と未知 ①~⑤の内、①~④は初級でも教えるが、残りは取り立てて説明する機会はない。「は」「が」の違いを説明す...

T:日本自然公園、いつ作りましたか
S:1960年
T:じゃ質問は?
S:日本自然公園はいつ作られましたか
T:答えは?
S:日本自然公園は1960年に作りました
T:長いですね。1960年に作られました、でいいです

◆日本や地元の名所PCを見せ紹介しながら他の疑問詞も入れていく

<物/こと>は~(ら)れています

- 教える際の留意点-

1.多くの人がしていることを表す受身の使い方

導入・練習

◆受身動詞のて形をフラッシュカードで練習。

T:食べますの受け身は?
S:食べられます
T:読みますは?
S:読まれます
T:受け身はすべて2グループです。ですから、読まれます、「ます」を消して「て」にします。

読まれます

読まれ

T:じゃ食べれますは?
S:食べられて

 

以降はフラッシュカードで練習していく。受身動詞のて形の準備ができたら導入に入る。

◆導入

T:この人は何ですか。知っていますか
S:マイケルジャクソンです
T:皆さん知っていますね。マイケルジャクソンはみんなが知っています。世界中の人が知っています。世界中で知られています

マイケルジャクソンは世界中で知られています。

T:「受身」と「ています」は、みんながしていることを言います。

 

うけみ+ています=みんなしています

 

上のように今いるクラスの学生の国で有名なキャラクターや人物を見せて、導入するとおもしろい。

ドラえもんはアジア圏だとかなりの知名度です。日本の首相もさすがの知名度ですが、一部の政治的な、危険な思想の持ち主が教室で暴言を吐いて教室が荒れることがあるので気を付けましょう。「クレヨンしんちゃん」「ウルトラマン」は知名度にバラつきがあり、呼び方も国によって異なります。他にもおすすめなのは「ピカチュウ」「ミッキーマウス」あたりが知名度、呼び方などの点において使いやすいです。

◆人やキャラクターだけでなく、有名な物でも導入

T:これを知っていますか
S:箸です
T:皆さんは箸を使いますね。アメリカの人は使いますか
S:あまり使いません
T:どこで使われますか
S:アジアで
T:箸は?
S:箸はアジア中で使われています

箸はアジア中で使われています。

新出語

注意する

この言葉の意味でよく学生が「ん?」という顔をする。
L33:(車に)注意する
L37:(人を)注意する
L33の「注意する」は「気をつけます」、L37は「叱ります」のように簡単な語で説明できる。

~中(じゅう)・~中(ちゅう)

~中(じゅう)L37:Xの示す範囲全て
日本中・町中・会社中・学校中・今日中
~中(ちゅう)L33:動作性のX=している最中 時間名詞=その時間内全て
電話中・仕事中・7月中
※ジュウは場所が多いが、「今日じゅう」というのもあることに注意

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