「かぎり」を使った文型をまとめています。全てに共通する事は「ある事を限定している」という事です。
詳しい使い方や例文、教える際のポイント、類似文型との違いなどは、各文型のページをご覧ください。
用法①:条件の範囲
「限り(は)」【N2】
≪接続≫
普通形(現在形)+限り(は)┃以下接続例
V:する+限り(は)
A:おいしい+限り(は)
Na:にぎやかだな/である+限り(は)
N:本だである+限り(は)
≪意味・使い方≫
X限り(は)Y。
- Xが続いている間はYが続く <as long as X, Y>
- XやYには、時間が長くかかるものが来る
- 「は」はあってもなくても良い
用法②:限界まで
「限り」【N2】
≪接続≫
V辞書形/N+限り┃以下接続例
V:する+限り
A:なし
Na:なし
N:本だの+限り
≪意味・使い方≫
X限りY。
- Xの限界までY <Y as much as X>
- 「XいっぱいいっぱいまでYする」と言いたいときに使う
- 「限り」は名詞として扱う
用法③:強調
「限りだ」【N1】
≪接続≫
イ形容詞/ナ形容詞+限りだ┃以下接続例
V:なし
A:うれしいい+限りだ
Na:にぎやかだな+限りだ
N:なし
≪意味・使い方≫
X限りだ。
- とてもXだ <extremely X>
- 「いま最高にXだと思う」と、自分の気持ちを強調して言いたいときに使う
- 話者の気持ちを表すものなので、他人の気持ちを言うときには使えない
用法④:範囲の限定
「限りでは」【N2】
≪接続≫
V辞書形/Vタ形/Nの+限りでは┃以下接続例
V:する+限りでは
A:なし
Na:なし
N:本だの+限りでは
≪意味・使い方≫
Xの限りではY
- Xの範囲の中ではYだ <as far as X, Y>
- 「Xという情報から判断するとYだ」と言いたいときに使う
- Xには「見る」「聞く」「調べる」「知っている」など、情報に関わる言葉が来る
用法⑤:だけ/だけでなく
「に限って」【N2】
≪接続≫
N+に限って┃以下接続例
V:なし
A:なし
Na:なし
N:人だ+に限って
≪意味・使い方≫
Xに限ってY。
- XだけはYだ <only in the case of X, Y>
- 意味が二種類ある
①いつもは違うのにXのときだけは特別に嫌なYになり、不満だ
②信頼しているXだけは、そのような良くないことはしないはずだ
「に限り」【N2】
≪接続≫
N+に限り┃以下接続例
V:なし
A:なし
Na:なし
N:本だ+に限り
≪意味・使い方≫
Xに限りY。
- Xだけ特別にY <only for X, Y>
- 「~に限らず」の対義だが、より「特別に」の意味合いが強い
「に限らず」【N2】
≪接続≫
N+に限らず┃以下接続例
V:なし
A:なし
Na:なし
N:本だ+に限らず
≪意味・使い方≫
Xに限らずY。
- XだけではなくY <not limited to X, Y>
- 「Xだけではなく、Xのグループ全体が当てはまる」と言いたいときに使う
用法⑥:一番いい
「に限る」【N3】
≪接続≫
V辞書形/Vナイ形/N+に限る┃以下接続例
V:する+に限る
A:なし
Na:なし
N:本だ+に限る
≪意味・使い方≫
Xに限る。
- Xが一番いい <X is the best>
- 話者の主観で「Xが一番いい」と主張するときに使う。客観的に判断する場合は使えない
例:×弁護士「このような状況では訴えるに限ります」
用法⑦:最後として
「を限りに」【N1】
≪接続≫
N+を限りに┃以下接続例
V:なし
A:なし
Na:なし
N:今日だ+を限りに
≪意味・使い方≫
Xを限りにY
- Xを最後として <Y will end as of X>
- 「続いていたことが、Xを境に終わる」と言いたいときに使う
用法⑧:~とは言えない
「とは/も限らない」「ないとも限らない」【N3】
≪接続≫
普通形+とは/も限らない┃以下接続例
V:する+とは限らない
A:おいしい+とは限らない
Na:にぎやか(だ/である)+とは限らない
N:本(だ/である)+とは限らない
≪意味・使い方≫
Xとは/も限らない。
- 絶対にXだとは言えない <not necessarily X>
- 「いつもXが本当であるとは言えない」と言いたいときに使う
- 「Xとは」でも「Xとも」でも意味は同じ
- Xをナイ形にすることもできるが、その場合は「Xないとも限らない」と、「も」が使われることが多い。過去形は「Xなかったとも限らない」となる
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