【JLPT N1】「たる」

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「たる」【N1】

用法

≪接続≫
 N+たる
┃以下接続例
    V:なし
    A:なし
  Na:なし
    N:王+たる

≪意味・使い方
 XたるY

  1. Xという立場のY <”Y” in the position of “X”>
  2. XとYには名詞がきて、「Xという立場のYなら、~は当然だ、~をするべきだ」と、話者の強い判断を言いたいときに使う
  3. 主に高貴な立場や品格のある人物や物事を形容する際に使われる
  4. 人について言う場合は「~たる者(もの)」を使う 
  5. かなり文語的な表現で、小説やドラマなどでよく見かける

よく一緒に使われる言葉・文型・表現

「もの」「なければならない」
例:学生たるもの、勉強しなければならない。

例文

王家の娘たるものこのくらい当然です。 (As a princess of the royal family, this is only natural.)

冒険者たるもの一流であれ。 (As an adventurer, aim to be the best.)

たるもの色恋沙汰に惑わされるな。 (As a man, do not be swayed by love affairs.)

紳士たるもの、普段使いの小物にこそこだわるべし。 (As a gentleman, pay attention to the details of everyday items.)

役者たる者、感謝を一番に表現出来ずにどうする。 (As an actor, how can you not express gratitude first and foremost?)

剣士たるもの、刃物の扱いには慣れていて当然だ。 (As a swordsman, it’s only natural to be skilled with blades.)

監督たるもの、絶対に議論に負けてはならない。 (As a director, you must never lose an argument.)

決闘者たる者ルールとマナーは守りましょう。 (As a duelist, let’s uphold rules and manners.)

執事たるもの、この程度のことができなくては務まりません。 (As a butler, you must be capable of handling tasks like this.)

その男は、知識者たる者が持つべき厳粛な表情をしていた。 (That man had a solemn expression befitting a scholar.)

王としての使命を果たすべき人物たる者、その責任は重い。 (As someone meant to fulfill the duty of a king, the responsibility is heavy.)

彼女は巧妙な策略家たる一面を見せた。 (She showed her skill as a cunning strategist.)

彼は師匠たる存在で、多くの若い芸術家に影響を与えた。 (He served as a master and influenced many young artists.)

類似文型とその違い

ともあろう【N1】

「たる」と「ともあろう」は、いずれも古風な表現で、前につく名詞について話者が高く評価しているときに使いますが、微妙なニュアンスの違いがあります。

「たる」は、「~という立場であれば~は当然だ」と、話者の判断を強調する表現です。主に高貴な立場や品格のある人物や物事について使われます。例えば、「一国の王たる者は、国民を守る責務がある」といった形で使われます。現代の日常会話ではあまり使われることはありませんが、文学作品や古典的な文章で見られることがあります。

一方、「ともあろう」は、「~のような立派な立場なら~すべきではない」と、話者のマイナスの感想を述べる表現です。例えば、「一国の王ともあろうお方が、国民を軽んじるとは許せない」といった形で使われます。こちらも、文学作品や古典的な文章で見られます。

これらの表現はどちらも古風であまり日常的には使われませんが、文学的な表現やフォーマルな文書で見かけることがあります。また、使われる文脈によって微妙なニュアンスの違いがありますので、注意が必要です。

参考文型

【JLPT N1】「に足る」
「に足る」【N1】 用法 ≪接続≫  V辞書形/N+に足る┃以下接続例     V:する+に足る     A:なし   Na:なし     N:信頼だ+に足る ≪意味・使い方≫  Xに足るY。 XできるYだ、Xするだけの価値があるYだ <Y...

 

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