学生に嫌われる理由

学生をコントロールする最大の武器は好意です。校則でも、叱責でも称賛でもありません。しかし、好意を持ってもらうのは簡単ではありません。

なぜ学生に嫌われるのか

授業において最も重要なことは、学生の求めている授業を提供できているか、です。学生に質問され、
S:先生、「このラーメンはおいしそうです」と「おいしいようです」は何が違いますか
T1:お、同じだよ
と答えます。その1回見せた戸惑いを見て、学生は判断します。

学生は別の先生に質問します。
S:先生、「このラーメンはおいしそうです」と「おいしいようです」は何が違いますか
T2:~だよ
S:昨日の先生は同じと言っていました(笑)

初級クラスは経験が浅い方が担当する事が多いとはこの記事で述べた通りですが、初級だからといって上級レベルの質問が来ない訳ではありません。
適当に答えて墓穴を掘り学生に見限られるぐらいなら、「明日!明日必ず教えるから!」と約束し、真摯な対応をする方がまだマシです(やり過ぎは禁物ですが)。
そうやって信頼と知識を重ねると、好意の大前提である『学生の求めている授業』が少しずつできるようになるのです。

学生の質問に答えられないのがダメなわけではありません。ただ、学生は目の前の教師から求めていた答えが得られなかった場合、他の先生に聞く、という事をしばしばするので、適当に答えると上述のようにボロが出て、見限られるのです。

他にも、おもしろい授業が“嫌いな”学生が多いのにいつもの調子でバカみたいに騒いだり、英語圏どころかミャンマー人すらいないクラスで語彙や文型の説明を英語でしかも超ジャパニーズイングリッシュでやるなど、学生の雰囲気、属性を把握しないで授業をやればどんどん学生に嫌われます。

※日本語教育機関では、英語や媒介語で授業をしていると思っている人がいますが、世界共通語の英語は日本語教育機関ではあまり共通してくれないことを忘れないように

叱る権利

授業に遅刻した教師が

T:S1さん、遅刻しないでください!

と言ってもいいものでしょうか。授業開始のベルを聞くのは教師であろうと教室でなければなりません。このような教師を私は「叱る権利がない教師」と呼びます。他にも、教師が学校に提出すべき書類を期限が過ぎても提出しないのに、学生には

T:宿題今日までだったよね?どうして期限を守れないの?もう子どもじゃないんだから

さらに、「本を読むだけの退屈な何の工夫もないわかりにくい授業をしているくせに注意は一丁前にしてくる教師」に叱る権利はありません。自分ができていないのに学生に勉強するよう求めることを私はしません。
だから、私はどのクラスでもまずは自分がしっかりした授業ができるようになってから、学生にもしっかりするよう求めます。
反対に、時間がなく、準備が万全でない授業をした日は私に叱る権利はないので、注意はしません。

好意を持ってもらうにはどうすればいいのか。

こんな先生がいます。
「私はあまり叱らない。だって学生に嫌われるから」
叱られるから嫌われるのではなく、叱られた理由が理不尽なものだったり、叱った理由を説明せずに頭ごなしに怒鳴り散らせば誰だって反抗的になります。特に文化や習慣の違う日本語教育機関では、昔の(今も?)日本の教師のように
T:シャーペンだめ!
S:どうして?
T:ダメだからだめなの!ルール!
では通りません。なぜダメなのかを説明しなければなりません。

学生の質問にしっかりと答え、学生それぞれに興味を持ち、自分の事を開示する。そして叱る権利を得た後に叱る、その際しっかりダメな理由を説明すると、学生は教師に興味を持ち、好意を持ってくれるようになります。

好意を持たれるとどうなるか。

学生に「この先生には嫌われたくない」と思わせられれば、授業の妨害行為をしなくなります。つまり、「ケータイを使ったら先生が怒るからやめよう」「私語をしたら授業の邪魔になるからやめよう」「寝たら(以下略」という考え方に変えるのです。

やめようの理由が『校則だから』と、『先生が好きだから』と、どちらの方がお互いに気持ちよく授業ができ、受けられるでしょうか。

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