「本当に好き・本当は好き」違い

「本当に好き」「本当は好き」、この二つの文は一文字しか違わないが、ニュアンスの違いは大きいため、気をつけないと誤解を招く。

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例Ⅰ

私は本当に彼が好きだ。
➔ただ好きだという事を強調しているだけ

私は本当は彼が好きだ。
➔普段彼が好きな事を隠している

 

学習者に説明するときはまず「本当に~」から説明した方がわかりやすいかもしれない。

「本当に~」は後の文を強調しているだけである

「本当は~」には話者の「表面上はそうなのだが、真実は~なのだ」という感情が出る。従って、「本当は~だが、実は/実際は~だ。」という形で使われることが多い。

例Ⅱ

以下に、それぞれの例文を用意した。

△彼は本当に真面目だが、不真面目なふりをしている。
〇彼は本当は真面目だが、不真面目なふりをしている。
➔「ふり」という言葉から、「本当は」の方が適当となる。

〇本当に嫌いだったが、作ってくれた人に悪いので我慢して食べた。
◎本当は嫌いだったが、作ってくれた人に悪いので我慢して食べた。
➔話者が嫌いだということを隠し、我慢して食べたということは、「本当は」の方が適当となる。

?本当に知っているのに、彼は犯人をかばうために黙っていた。
〇本当は知っているのに、彼は犯人をかばうために黙っていた。

〇最近言葉の乱れが本当に多い。
✕最近言葉の乱れが本当は多い。
➔言葉の乱れは個人的なことではない、つまり隠せることではないので、「本当は」が✕となる。

まとめ

使っていかないとつかめない部分があるので、学習者に「結局何が違うの?」と言われたら、「本当は」は「実は/実際は~だ。」の形を教えればいいだろう。以下のような文を見せて、一人芝居でやってみせてもおもしろい。

A:ずっと隠していたんだけど、本当はBが好きだったんだ!
B:〇本当に? ✕本当は?
A:〇本当に ✕本当は 好きだ!

直説法にこだわらない学校なら、reallyとactuallyを使って学習者の理解を促そう。

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