【JLPT N2】「ぬきで(抜きで)」

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「ぬきで(抜きで)」【N2】

用法

≪接続≫
 N+ぬきで┃以下接続例
    V:なし
    A:なし
  Na:なし
    N:食事+ぬきで

≪意味・使い方
 XぬきでY。

  1. Xを入れないでY <Do Y without including X.>
  2. 「もともとあるものがない状態で」と言いたいときに使うことが多い
  3. 「Xはぬきにして」という言い方もある
Teaching Points
1.「普通は含まれるもの、当然あるべきものがない状態で」と書いてある参考書もあるが、そのように使う事が多いというだけで、そうとは限らない。
 ・彼は食事ぬきで勉強している(「食事=当然あるべきもの」)
 ・先生はお世辞ぬきできれいです(「お世辞=当然言うべきもの」ではない)

よく一緒に使われる言葉・文型・表現

「食事」「休憩」など
例:食事ぬきで勉強し続ける。

「冗談」「お世辞」
例:彼は冗談ぬきでかっこいい。

例文

食事ぬきで会議を続けたからおなかが減ってしまった。

チーズ抜きでピザを注文した。

砂糖抜きでケーキを作ることは可能ですか?

この商品は税金抜きで2万円だ。

すみません、電車が遅れて間に合わないので、会議は私抜きで始めてください。

今日は感情論抜きで話そう。

彼はパーティーに来なかったので、彼ぬきで始めた。

お世辞抜きで素晴らしかったよ。

挨拶はぬきにして、食事にしましょう。

難しい話は抜きにして、今日はパーティを楽しんでください。

類似文型とその違い

「なしに」【N1】

「Xなしに」と「Xぬきで」は、どちらも「Xがない状態で」という意味になりますが、使い方やニュアンスが少し違います。

まず、「Xなしに」はXに名詞のほかに「動詞+こと」を入れることができますが、「Xぬきで」はXに名詞しか入れることができません

  • 〇 寝ることなしに働く。
  • 〇 食事なしに働く。
  • × 寝ることぬきで働く。
  • 〇 食事ぬきで働く。

また、「Xなしに」のXの名詞は、動作性のある動詞のみですが、「Xぬきで」のXの名詞は、動作性がなくてもかまいません

  • 〇 休憩なしに勉強する。
  • × お酒なしにパーティをする。
  • 〇 休憩ぬきで勉強する。
  • 〇 お酒ぬきでパーティをする。

次に、「Xなしに」には「ふつうはXするが、Xしない」、「Xぬきで」には「Xを入れない」というニュアンスがあります。したがって、「3時間休憩なしに勉強した」というと、一般的に3時間勉強するならいくらかの休憩時間があってもよいがそれがなかった、というニュアンスになり、「3時間休憩ぬきで勉強した」というと、3時間の勉強時間の中に休憩時間を入れなかった、といったニュアンスになります。

このように、「Xなしに」と「Xぬきで」は意味合いが似ていますが、Xに入る言葉の品詞や名詞の動作性、またニュアンスに違いがあります。

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