名詞と形容動詞(な形)の境界線 『名詞+な』『名詞+する』

名詞(以下、Nとも表記)と形容動詞(以下、Naとも表記)は用法や接続、様々な点においてよく似ています。具体的にどのように似ているのか、また、近年見られるそれらの特殊な使い方などを考察していきます。

名詞と形容動詞(な形)の境界線

Na・N両方で使える言葉

まずはいくつか例を挙げる。他にも、「安全・便利・楽」などがある。

  • 元気な人・元気の源/秘訣 ?元気の人
  • 平和な日常・平和の象徴 ?平和な象徴
  • 幸せな人・幸せの条件
  • 健康な人・健康の秘訣

問題:1~5で、Naはどれか。
1無理 2平和 3大切 4元気 5自由

答え:3はNa。他はNaの語幹がNの性質も有する

「特別」「同じ」は例外的な品詞

特別:名詞、形容動詞、副詞

  • <名詞>特別のはからいで免除された
  • <Na>特別な思いで挑んだ
  • <副詞>特別に許可を受けた

同じ:「同じ」は名詞に続くときは「な」が不要

  • ✕同じな服
  • 〇同じ服

「同じ」はNa?N?

これは文末に置くと、「同じだ」となるため、一応形容動詞なのだが、「同じな/の意見」とはならないので、特殊な言葉だと学習者には教える。ついでに私はこれの対義語として「違う」も教えるのだが、「違う」は「同じ」と品詞が異なるよ、と教えておくこと。

NとNaの特殊な使い方

『名詞+な』

A:大人な対応

感じる人は感じるかもしれないが、私は違和感はないと思う。皆さんはどうだろうか。
名詞が名詞を修飾する時は助詞ノを使うと学生に教える。しかし、大人な対応という文に大きな違和感はないと思う。大人は名詞であるのに。もう一つ

B:ビールにする?日本酒にする? ・・・ん~、今日はワインな気分かな

どうだろうか。間違っているし、「違くない」と同じ新しい言葉だとは思うが、私はもう上のAとBの文は許容であると思う。次↓

C:(クリスマスツリーやきれいなイルミネーションを施した街路樹を見て)
うわ~、クリスマスな感じだね

これはちょっと苦しいかもしれない。
次は新しい言い方ではなく、むしろ古風な言い方↓

D:味な事を言うね

以上、いくつか「NなN」の例を挙げた。「NのN」で言い換え可能なものはAとBで、Cは苦しく、Dは慣用的なもので許容どうこうではなく『正しい』言い方である。

『名詞+する』

「結婚する」「勉強する」はいわゆる3グループ動詞(サ変動詞・カ変動詞)と言われ、名詞に「する」を付けて動詞にしたもの。では、次の名詞は動詞にできるのか。
お父さん+する
久しぶりに訪れた友人宅で
「ちゃんとお父さんしてるじゃん」
これはつまり、「お父さんらしい事(家事や子どもの面倒)をやっている」という意味である。

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