【JLPT N1】「に至る」「に至って」「の至り」

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「に至る」【N1】

用法

≪接続≫
 V辞書形/N+に至る
┃以下接続例
    V:する+に至る
    A:なし
  Na:なし
    N:今+に至る

≪意味・使い方
 Xに至る。

  1. 色々あって、Xと言う結果になった <finally reached X>
  2. かたい言い方。Xには、比較的重大な事態が入る。

よく一緒に使われる言葉・文型・表現

「今」「現在」
例:勤めていた会社の倒産や社長の夜逃げなどを経て、今に至る。

「ついに」「とうとう」
例:彼は長年努力し続け、ついに世界大会で優勝するに至った。

例文

勤めていた会社の倒産や社長の夜逃げなどを経て、今に至る。 (After experiencing the bankruptcy of the company I worked for and the president’s disappearance, I have reached where I am today.)

彼は長年努力し続け、ついに世界大会で優勝するに至った。 (He dedicated himself for many years and finally achieved victory at the world championship.)

この病気は放っておくと死に至りますよ。 (If you leave this illness untreated, it can lead to death.)

長い議論と検討を経て、最終的に合意に至った。 (After extensive discussions and deliberations, we finally reached an agreement.)

経済危機への対処策が実施され、景気回復に至った。 (Measures to address the economic crisis were implemented, leading to an economic recovery.)

事件の真相解明のために徹底的な捜査が行われ、とうとう犯人の逮捕に至った。 (In order to uncover the truth behind the incident, a thorough investigation was conducted, eventually leading to the arrest of the culprit.)

彼の努力の継続が、成功に至った要因である。 (The continued effort on his part was a key factor that led to success.)

交渉の末、双方が合意に至ったことで紛争が解決した。 (Through negotiations, both parties reached an agreement, resulting in the resolution of the dispute.)

「に至って」【N1】

用法

≪接続≫
 V辞書形/N+に至る
┃以下接続例
    V:する+に至って
    A:なし
  Na:なし
    N:今+に至って

≪意味・使い方
 Xに至ってY

  1. Xという重大な事態になって、Y <As a significant situation of X unfolded, Y.>
  2. 「ずっと放置していたのに、Xという状況になってはじめてYする」と、放置していたことを悪く言いたいときに使う。Xにはマイナスの、とても良くない状況が入る
  3. かたい言い方。「~に至り」と連用中止形で使うこともある

一緒によく使う言葉

「はじめて」「ようやく」「やっと」
例:死者が1万人を超えるに至って、ようやく政府は緊急事態宣言を出した。

例文

死者が1万人を超えるに至って、ようやく政府は緊急事態宣言を出した。 (With the death toll surpassing 10,000, the government finally declared a state of emergency.)

会社に壊滅的なダメージが出るに至り、ついに彼女は自分の間違いに気づいた。 (As the company suffered catastrophic damage, she finally realized her mistake.)

新聞で一面を飾るに至って、やっとこの案件に関する報告書が提出された。 (It wasn’t until it made the front page of the newspaper that the report regarding this issue was submitted.)

クラスター感染に至りようやく学校はオンライン授業に切り替えた。 (With the occurrence of a cluster infection, the school finally switched to online classes.)

川の生物が全滅するに至ってはじめて地元の住民たちは環境問題に対する取り組みを始めた。 (Only when the river’s ecosystem was completely wiped out did the local residents begin addressing environmental issues.)

半数以上のストライキが発生するに至り、ついに会社は従業員の福利厚生を改善することに同意した。 (With over half the workforce on strike, the company finally agreed to improve employee benefits.)

結婚するに至っても夫は浮気をやめなかった。 (Even after getting married, her husband didn’t stop cheating.)

「の至り」

用法

≪接続≫
 N+の至り
┃以下接続例
    V:なし
    A:なし
  Na:なし
    N:光栄+の至り

≪意味・使い方
 Xの至り

  1. とてもXだ <very X>
  2. 「非常にXだ」と話者が感じた事について言う。話者の強い感謝・喜び・怒り・後悔を表す
  3. 慣用的で古い表現。使える言葉が限られていて、ものによっては大げさに聞こえることもある
Teaching Points
1.使える言葉が限られているので、どんな時に使うのか、状況を提示し、意味がわかればよしとする

例文

感謝・喜び

全武将との対決とは光栄の至り。 (Facing off against all the warlords is a great honor.)

早急に確認して頂けると幸甚の至りです。 (I would greatly appreciate it if you could confirm this promptly.)

こんな立派な賞をいただき、光栄の至りです。 (Receiving such a prestigious award is truly an honor.)

社長に私の能力を認めていただけるとは、感激の至りです。 (I’m deeply moved by the president recognizing my abilities.)

 

怒り・後悔

たいした人間でもないくせに、他人を見下すような発言や態度をとるなど高慢の至りだ。 (It’s the height of arrogance to look down on others with disdain, even though you’re not that great of a person.)

100万円も誤送金をしてしまうとは、まったく不覚の至りです。 (To make a mistaken transfer of one million yen is truly a regrettable oversight.)

若い時は彼氏をとっかえひっかえしていたが、若気の至りだ。 (In my younger days, I used to change boyfriends frequently, but it was just youthful indiscretion.)

もっと時間を有効に使えていればと慚愧の至りでございます。 (I’m truly ashamed that I could have used my time more effectively.)

こんな失敗をするなんて、赤面の至りだ。 (To make such a mistake is truly embarrassing.)

類似文型とその違い

の極み【N1】

「~の至りだ」と「~の極みだ」は、感情や状況を表現する際に使われる表現で、類似点もありますが、微妙な違いがあります。以下にそれぞれの違いを説明します。

  1. 「~の至りだ」:

    • 「至り」は、「至る」という動詞から派生した名詞で、「到達点」や「最高点」を意味します。
    • 「~の至りだ」という表現は、特定の状況や感情が最高点に達したときに使用します。つまり、何かが非常に満足や感動、あるいは怒りや後悔の極致に達した状態を表現する際に使います。
    • この表現は比較的フォーマルで、感謝の気持ちや喜びを表現するときによく使われます。
    • 例: 「皆さんの協力のおかげで、プロジェクトが成功したことは感激の至りです。」
  2. 「~の極みだ」:

    • 「極み」は、「極」(extreme)や「極度」を意味し、「~の極みだ」という表現は、何かが非常に極端な状態にあることを強調する際に使用されます。
    • この表現は感情や状況の強調を伴います。特に、感情が非常に強いときに使われることが多いです。
    • 例: 「彼女の美しさは言うまでもなく、そのドレス姿は美の極みです。」

要するに、「~の至りだ」は感謝や後悔をよりフォーマルに表現するのに対して、「~の極みだ」は感情や状況の極端さを強調する際に使われ、より感情的なニュアンスがあります。どちらの表現を使うかは、文脈と表現したい感情や状況に合わせて選ぶことが重要です。

参考文型

【JLPT N1】「に至っては」
「に至っては」【N1】 用法 ≪接続≫  N+に至っては┃以下接続例     V:なし     A:なし   Na:なし     N:彼だ+に至っては ≪意味・使い方≫  Xに至ってはY。 Xの場合は極端で、Yだ <in extreme c...
【JLPT N1】「に至るまで」
「に至るまで」【N1】 用法①:までも ≪接続≫  N+に至るまで┃以下接続例     V:なし     A:なし   Na:なし     N:本だ+に至るまで ≪意味・使い方≫  Xに至るまでY。 Xまでも <even X> 「なにかの範...

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