【JLPT N1】「に則って(にのっとって)」

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「に則って(にのっとって)」【N1】

用法

≪接続≫
 N+に則って
┃以下接続例
    V:なし
    A:なし
  Na:なし
    N:規則+に則って

≪意味・使い方
 Xに則ってY。

  1. Xに従って <in conformance with X>
  2. Xにはルールが入り、「Xの通りにYする」と言うときに使う
  3. Yに名詞が来て名詞修飾の形にする場合は「Xに則ったY」となる
  4. 連用中止形にする場合は「~に則り(のっとり)、~」となる

例文

確率論に則って、相手の反応や傾向、直感などの情報は排除して戦えば、最も勝率は高くなる。 (Adhering to probability theory, if you eliminate information such as your opponent’s reactions, tendencies, and intuition, your chances of winning are maximized.)

式典は、神道の祭式に則って今年も厳かに執り行われました。 (The ceremony was conducted solemnly this year, following the Shinto rituals.)

ゲームをする以上、ルールに則って行われている戦法を否定するのは良くない。 (When playing a game, it’s not advisable to reject strategies that adhere to the current rules.)

現行ガイドラインに則って治療する。 (We will follow the current guidelines for treatment.)

義務付けられた学習指導要領に則って、文部科学省検定済教科書を使用して授業を行っている。 (We conduct classes using textbooks approved by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science, and Technology, following the mandated curriculum.)

彼は対戦相手をポイントで上回り、正しく選考基準に則って選ばれた代表だ。 (He is the representative who outperformed his opponents in points and was chosen in accordance with the selection criteria.)

このプロジェクトは、国際的な基準に則って実施された。 (This project is being implemented following international standards.)

法律に則って、すべての企業は税金を納める義務がある。 (According to the law, every company has an obligation to pay taxes.)

安全規定に則って、全ての労働者は適切な防護具を着用するように指示されている。 (In accordance with safety regulations, all employees are instructed to wear appropriate protective gear.)

会社の方針に則り、新たな従業員研修プログラムを開始した。 (We have initiated a new employee training program in accordance with the company’s policy.)

類似文型とその違い

に即して【N1】
に沿って【N2】
に従って【N3】
(の)通りに【N3】

「~に則って」もふくめ、これらはいずれも「~に合うように」といった意味を表す文型ですが、接続や使える文脈に違いがあります。

まず、接続に関しては、「に則って」「に即して」「に沿って」が名詞のみに、「に従って」は動詞辞書形と名詞に、「通りに」は動詞辞書形とタ形、および名詞に接続します。

次に、5つすべてが共通して使える文脈は、「指針になるもののとおりに~する」というものです。
例:規則(〇に則って 〇に即して 〇に沿って 〇に従って 〇の通りに)処罰する。

ただし、「に則って」「に即して」はかたい言い方で、会話ではあまり使われません。反対に、「に沿って」「に従って」「(の)通りに」はやわらかい言い方なので、かたい文脈ではあまり使われません。したがって、すべて同様に使われる、というわけではなく、その文脈に適した言葉を選ぶ必要があります。
例:被害者団体は、法令(〇に則った 〇に即した △に沿った △に従った △の通りの)対処を要求している。
例:出口は、案内の看板(△に則って △に即して 〇に沿って 〇に従って 〇の通りに)進むと見えてきますよ。

一方の変化や出来事に合わせて何かをする、と言いたい場合には、「に即して」のみ使えます。
例:市場の変化(✕に則って ○に即して ✕に沿って ✕に従って ✕の通りに)新製品を開発する。

また、前件と後件が同時に変化する、と言いたい場合には、「に従って」のみ使えます。
例:台風の接近(✕に則って ✕に即して ✕に沿って 〇に従って ✕の通りに)風が強くなる。

そして、場所を基準にして何かをする、と言いたい場合には、「に沿って」のみ使えます。
例:川(✕に則って ✕に即して 〇に沿って ✕に従って ✕の通りに)道が続いている。

以上のように、これら5つの文型は同じような意味を持っていますが、接続、使える文脈や細かい意味に違いがあります。

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