20課教案 「普通形」 丁寧形 普通体 丁寧体 それぞれの違い

教師用メモ

難しすぎる普通形

普通形/体は今まで勉強した4時制の活用などを全て覆す、目ん玉飛び出る難しさで学生を苦しめ続ける。負担が大きいので、文型がない分、活用にとことん時間をかけて、丁寧に教授する

普通形で注意する語

あります、いいです、たいです、できます、来ます、します

これらの語は普通形に変換すると大変形が紛らわしいので、学習者も困惑するもの。念入りに練習する

教案

普通体 動詞文導入

- 教える際の留意点-

1.普通形と普通体の違いには触れない。質問が出れば簡単に。さらに追及されたら下のように説明する。

ご覧の通り、難しくてやる気をなくすので、質問が出たら見せるに留める

2.「丁寧・普通体」が難しいなら、呼び方はなんでもいいが教師間統一しておくのが望ましい。以下呼び方の例

  • 会社/オフィシャルスタイル(手引きより)・先生会話・ます会話
  • 友達/プライベートスタイル(手引きより)・友達会話・る会話

と様々な参考書で目にするが、現場ではやはり「丁寧・普通体」が最も多く用いられている

3.まだ助詞の脱落は扱わない

◆いつ使うか説明:丁寧体の方の会話を初めにTとS1でする。板書しながら会話

【丁寧体を使う場面】
先生との会話、社長との会話、初めましての人との会話、アルバイトの人との会話
A:昨日宿題をしましたか
B:いいえ、しませんでした

【普通体を使う場面】
友達との会話、家族との会話、日記
A:昨日宿題をした?
B:ううん、しなかった

S:先生、普通形と普通体は何が違いますか
T:普通体と普通形、丁寧体と丁寧形があります。下が普通形です。
丁寧形:書きます 書きません 書きました 書きませんでした
普通形:書く   書かない  書いた   書かなかった

◆FCで変換練習

T:書きます。書く。見ます?
S:見る

◆練習

動詞の普通形を文単位で練習
毎日彼に電話する

普通体の質問

- 教える際の留意点-

1.質問の形を入れてから、会話を作る過程で →うん/ううん

2.イントネーション注意
Q:食べる?(↑)
A:うん、食べる(↓) 

人物カードを使って、友達という設定で会話を作っていく

★人物カードの男性と女性をWBに貼る
男:女さんは毎日電車に乗る?
女:うん、見るよ。男さんは?

◆『毎日』と『昨日』で時制を変えて、動詞のFCでキューを出す

T:泳ぎます、毎日?
S:毎日泳ぐ
T:掃除します、昨日?
S:昨日掃除した

毎日掃除する?・毎日宿題をする?・毎日洗濯する?
毎日洗濯する?・昨日学校へ来た?・昨日富士山に登った?・
先週掃除した?・今年日本へ来た?・去年日本へ来た?

◆下の例文を丁寧体→普通体に変える練習

  • 昨日ジョギングしましたか
  • 昨日朝ごはんを食べましたか
  • 今朝新聞を読みましたか
  • 今朝勉強しましたか
  • 昨日の夜テレビを見ましたか
  • 昨日友達と遊びましたか
  • おととい雨が降りましたか
  • 先週~先生に会いましたか
  • 昨日家族に手紙を送りましたか
  • 今日友達と遊びますか
  • 明日傘を持って行きますか
  • 今日は雨が降りますか
  • 日曜日10時に起きますか
  • 昨日お酒を飲みましたか
  • 今晩お酒を飲みますか
  • 先週お酒を飲みますか

い形普通体導入

- 教える際の留意点-

1.「あります、いいです、来ます」の変換は紛らわしい。20課に限らず、新しい形が出るたびにこれらの変換は重点的にやる

「あります」:✕あらない あらなかった
「いいです」:✕いくない いかった いくなかった
「来ます」:✕きる きない きなかった

い形容詞の普通形練習
着物は高いです

い形疑問形

- 教える際の留意点-

1.どのタイミングでもいいのだが、「こちら→こっち そちら→そっち あちら→あっち どちら→どっち」について教授する必要がある。

2.「この・その・あの・どの、これ・それ・あれ・どれ」は普通体・丁寧体同じ

3.この画像を見せるタイミングは教師の裁量に任せる。

一番最初に見せて概要説明をしてもいい。また、Naの疑問形は「だ」がないと説明するが、ある場合もある。しかし、それを聞く場面は初級でもあるかもしれないが、使う場面は当分訪れないし、誤用が生まれ、さらに説明は微妙なニュアンスを述べなくてはならないので、「だ」はない!と断言しておいていい

◆普通形のルールの画像を見せる

適宜見せる

◆会話を完成させる。左の丁寧形が完成したら、右に普通形のを書く
A:日本語は難しいですか➔A:日本語は難しい?
B:いいえ、難しくないです。Aさんは?➔B:ううん、難しくない。Aさんは?
A:難しいです➔A難しい

◆変換練習
T:日本のおかしはおいしいですか。普通形は?
S1:日本のおかしはおいしい?

下の例文で同様に練習
昨日の宿題は難しかったですか
日本料理でなにが一番おいしいですか
このクラスでだれが一番背が高いですか

T:普通形は、「どちら」は「どっち」になります。
こちら→こっち そちら→そっち あちら→あっち どちら→どっち
T:日本語は難しい?
S:うん、難しい
T:英語も難しい?
S:うん、難しい
T:日本語と英語とどっちが難しい?
S:日本語の方が難しい
T:(日本と中国の地図を見せて)大きい、質問は?
S:日本と中国とどっちが大きい?
T:どっち?

「バスと電車とどちらが安いですか」「そちらに置きました」
「お茶とジュース、とちらがいいですか」「こちらへ来てください」
「日本語と英語とどちらがおもしろいですか」「日本と中国とどちらが暑いですか」
「ビールとワインとどちらがいいですか」

※この・その・あの・どの、これ・それ・あれ・どれ ←普通体・丁寧体同じ
T:この、や、これ、どれ、どの、はそのままです。
T:この車は速いです。普通体は?
S:この車は速い

◆ディクテーションや口頭で練習。丁寧形→普通形
「アパートは広いですか」

  • 「学校は楽しいですか」
  • 「アルバイトは忙しくないです」
  • 「アルバイトは忙しかったですか」
  • 「日本の物価は安いですか」
  • 「家は学校から近いですか」
  • 「日本の夏は暑くなかったですか」
  • 「今眠いですか」
  • 「野菜は体にいいですか」
  • 「そちらは危ないですか」
  • 「野菜は体にいいですか」

Na普通形導入

- 教える際の留意点-

1.学習者がよくする間違いが「元気か?」というもの。間違いとは言えないが、学習者、しかもこの段階では「だ」はない!と断言しておいていい

導入・練習

S6:うん、ハンサムだ

T:~先生はきれいですか
S7:~先生はきれい?
S8:うん、きれいだ

T:~先生が嫌いですか
S9:~先生が嫌い?
S10:ううん、嫌いじゃない

下の例文で同様に練習

  • 仕事は大変でしたか
  • 日本の電車は便利ですか
  • ~の友達は親切ですか
  • 先週は暇でしたか
  • あなたの町はにぎやかでしたか
  • あなたのお母さんが好きですか
  • お金は大切ですか
  • ~語は簡単ですか

Naの「だ」の脱落 逆接の「が」を「けど」に変換

- 教える際の留意点-

1.ダは語調が強くなるため、論文などによく使う。会話ではあまり使われない

2.終助詞「ね」「よ」紹介(普通形の形が定着してきたこのタイミングが望ましいが、上クラスならば最初の方で出してもいい)

人物カードを使って、友達という設定で会話を作っていく

★人物カードの男性と女性をWBに貼る
男:明日はひま?
女:うん、ひま

T:「Naだ」は会話であまり使いません。ダヨは使いますが、ダだけは、作文で使います。

T:おいしいですが、高いです。普通体は何ですが
S:おいしいが、高い
T:そうです。しかし、会話は、ケドを使います
おいしいけど、高い
T:近いですが、高いです、は?
S:近いけど、高い
T:好きですが、高いです
S:好きだけど、高い

◆応答練習

T:日本の食べ物は好きですか。普通体を言ってください。S1さん
S1:日本の食べ物は好き?
T:S2さん
S2:うん、好き
T:ううん
S2:ううん、好きじゃない

T:~さんの町はにぎやかですか
S3:~さんの町はにぎやか?
S4:うん、にぎやか。ううん、にぎやかじゃない。

下の例文で同様に練習

  • 週末は暇でしたか
  • 日本の電車は便利ですか
  • 日本語が上手ですか
  • アパートは静かですか
  • きのうの試験は簡単でしたか
  • 宿題は大切ですか

Nの普通形導入

T:な形の普通形は、元気だ、元気だった。名詞は、例えば学生です。普通
形は学生だ。学生じゃない。学生だった。学生じゃなかった。Naと同じです
T:今日は雨です 雨じゃありません 昨日は雨でした 雨じゃありませんでした

◆変換練習

T:雨です。雨だ。学生です?
S:学生だ
全Sでこれを10回程繰り返し、各Sにあてていく

T:雨じゃありません。雨じゃない。学生じゃありません?
S:学生じゃない
全Sでこれを10回程繰り返し、各Sにあてていく

T:雨でした。雨だった。学生でした?
S:学生だった
全Sでこれを10回程繰り返し、各Sにあてていく

T:雨じゃありませんでした。雨じゃなかった。学生じゃありませんでした?
S:学生じゃなかった
全Sでこれを20回程繰り返し、各Sにあてていく

◆応答練習

T:きのうアルバイトでしたか。普通体は?
S:きのうアルバイトだった?
T:きのうアルバイトだった?S1さん
S1:はい、アルバイトだった
T:はい?
S1:うん、アルバイトだった

T:S2さん、ここは菊川ですか
S2:ここは菊川?
S3:うん、ここは菊川だ

T:これはどこのワインですか
S4:これはどこのワイン?
T:イタリアです
S5:イタリアのワインだ

◆下の例文で同様に練習

  • いい週末でしたか
  • すき焼きは日本の食べ物ですか
  • これは新しいノートですか
  • ~さんはアメリカ人ですか

T:山田さんはサラリーマンです → 山田さんはサラリーマンだ
今日はテストです
彼はアメリカ人です、
ここは区役所です
寿司は日本の料理です
今12時です

◆練習。Na普通形
今日は暇です

普通体 後続句を用いた文型

- 教える際の留意点-

品詞だけでなく、「ことができます・なければなりません」などの普通形もこれ以降たくさん使うので、しっかり教授
例えば、「~でしょう?」という文型の前は普通形を用いるが、「たことがあります」+「でしょう?」は「たことがあるでしょう?」となる。同様に、「なければなりません」+「と思います」は「なければならないと思います」となる。

◆導入・練習

まずはそれぞれの文型の普通形の形を板書しながら、確認する
T:のみたいです。普通形はのみたい(?)
T:のみにいきます。普通形はのみに いく(?)
T:かいて ください。普通形はかいて
T:かいて います。普通形はかいて いる(?)
T:かいても いいです。普通形はかいても いい(?)
T:いかなければ なりません。普通形はいかなければ ならない(?)
T:いかなくても いいです。普通形はいかなくても いい(?)
T:泳ぐことが できます。普通形は泳ぐことが できる(?)
T:よんだことが あります。普通形はよんだことが ある(?)
T:よんだり、かいたり します。普通形はよんだり、かいたり する(?)
(?)は質問の形板書にはそのまま(?)と書く

◆変換練習
T:私はジュースが飲みたいです。私はジュースが飲みたい。京都へ行きたいです
S:京都へ行きたい
T:京都へ行ったことがあります
S:京都へ行ったことがある
T:京都へ行かなければなりません
S:京都へ行かなければならない

T:京都へ行かなくてもいいです。S1さん
S1:京都へ行かなくてもいい
T:学校へ来なくてもいいです
S2:学校へ来なくてもいい
T:テレビを買ってください
S3:テレビを買って
T:日本語を教えてください
S4:日本語を教えて
T:見たことがありません
S5:見たことがあらない
T:ありません、の普通形は何ですか
S:ない
T:そうです。ですから見たことがありませんは?
S5:見たことがない
T:飲みに行きます
S6:飲みに行く
T:食べに行きます
S7:食べに行く
同様に、他の動詞も丁寧体→普通体を練習

T:読んだり書いたりする。読んだり書いたりします。丁寧体を言ってください
T:書いている
S:書いています
T:読んでいる
S:読んでいます
T:遊んでいる。S1さん
S1:遊んでいますか
T:買い物したり、食事したりします
S2:買い物したり、食事したりする
同様に、他の動詞も普通体→丁寧体を練習

◆応答練習
T:~さんはジュースが飲みたいですか。ジュースが飲みたい?京都へ行きたいですか
S:京都へ行きたい?
T:新宿へ行ったことがありますか
S:新宿へ行ったことがある?
T:どうですか
S:うん、行ったことがある
T:学校へ行かなければなりませんか
S:学校へ行かなければならない?
S:うん、いかなければならない

T:学校へ行かなくてもいいですか。S1さん
S1:学校へ行かなくてもいい?
S2:ううん、学校へ行かなければならない
T:学校へ来なくてもいいですか
S2:学校へ来なくてもいい?
S3:ううん、来なければならない
T:~先生を見たことがありますか
S5:見たことがある?
S6:うん、見たことがある
T:ううん
S6:ううん、見たことがない
T:今晩飲みに行きますか
S7:今晩飲みに行く?
S8:ううん、飲みに行かない
T:今晩食べに行きますか
S9:今晩食べに行く?
S10:うん、食べに行く
同様に、他の動詞も丁寧体→普通体を練習

T:読んだり書いたりする。読んだり書いたりします。丁寧体を言ってください
T:書いている?
S:書いていますか
T:読んでいる?
S:読んでいますか
T:遊んでいる?S1さん
S1:遊んでいますか
T:買い物したり、食事したりする?
S2:買い物したり、食事したりします
同様に、他の動詞も丁寧体→普通体を練習

◆RP
T::学生
S:先生
T:私は学生です。皆さんは先生です。
T:すみません、先生。宿題を忘れました。
S:明日持ってきて/今書いて/今日持ってこなければならない
T:先生、トイレへ行ってもいいですか
S行ってもいいよ/行ってはいけない
◆役割を逆に。T:先生 S:学生
T:今晩何をする?
S:今晩宿題をします
T:昨日どこへ行った?
S:新宿へ行った
◆最後にTがSに役を与えて、ロールプレイさせる
T:S1さんは先生。S2さんは学生。明日はたらかなければなりませんか。先生、どうぞ
S1:明日働かなければならない?
S2:はい、働かなければなりません
T:何時に終わりますか
S1:何時に終わる?
S2:9時に終わります

◆活動『今度遊ばない?』

『LINE』 -日本語教育機関活動案

考察

格助詞の省略について

話し言葉においては、「たばこ買ってきて」のように格助詞の省略がよく見られます、注意すべき点があります。

全ての格助詞が話し言葉において省略されるわけではない

「が」「に」「を」「で」の中で「で」のみが『話し言葉において』省略されない

省略可能なもの「が・に・へ・を」

  • A:誰(が)行く? B:私(が)行くよ。
  • A:どこ(に/へ)行くの? B:ちょっとスーパー(に/へ)行ってくる。
  • A:今何(を)してる? B:日本語(を)勉強してるとこ。

省略不可なもの「で・から・まで・と・より」

  • A:学校勉強している。(「で」の省略は不可)
  • 3時勉強する。(「から」なのか「まで」なのか、または「に」なのかわからない)
  • 彼会う。(「と」なのか「に」なのかわからない)
  • XさんはYさん背が高いです。(「より」の省略は不可)

「に」の【時】の用法は省略不可だが、【場所】は可能。

格助詞が省略されても文の意味に支障は生じない

動詞のタイプによって格助詞の組み合わせが決まるから

格助詞の省略はそれ以外の言語現象との関わりが認められる

目的語に助詞「も」をつけると、下のように「を」が消える

  • 本を買った→本も買った

助詞

日本語学習者が苦労させられる文法形式に助詞がある。それぞれがいろいろな用法を持つのだが、何より先に彼らが学ぶのが「場所」を表す用法である。
まず、「教室にいる」と「教室で勉強する」では、同じ場所を表すのに助詞が異なっている。つまり、「に」は存在の場所であり、「で」は動作の場所を表す。

僕と自分だけ

道で迷子になった男の子に声を掛ける時に言う言葉
「僕、迷子になったの?」
日本語はIを表す人称名詞が多くあるが、本来”I”で使われる人称名詞を”YOU”として使う場合がある。これは「僕」以外の他の人称名詞でも言えるのか。
×私・俺・拙者・うち・小生・わし・吾輩・おいら
〇僕・自分・我
ちなみに、Iを表す名詞以外の人を表す言葉でYOUが言えるか考えてみる。
〇娘・ガキ・坊主・(お)兄/姉ちゃん・(お)父/母さん・そこの男/女
×弟・妹・男・女・大人・中年・アラサー・未成年・成年・青年・彼・彼女・彼氏・彼ら
弟と妹は「あなたの」をつければ使える。男と女も「そこの」をつければ使えるが、単体だと使えない

格助詞の省略についてはこちらでさらに詳しく解説しているので、ご覧ください。

初級の9つの助詞一覧 用法の教え方 練習問題つき

日本語教師のN1et、管理人による日本語教師養成レッスン詳細はこちら

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