0課教案 サバイバルジャパニーズ あいさつ 教室用語 数字など

スポンサーリンク

当サイト管理人による、日本語教師養成個人レッスンの詳細はこちら

当サイト管理人による、日本語教師養成個人レッスンの詳細はこちら

教師用メモ

T=教師 S=学生 G=ジェスチャー
初級は体を動かしてやるが、10課ぐらいまでは体よりも絵(PC)がキーとなる。

文字をこれから教えるが、文字には書体というものがあり、紹介する。「き」「シ」あたりがいいだろう。書くときは明朝体・ゴシック体などはだめで、教科書体が正しいことを拡大コピーしたものを見せ示す。

教案

自己紹介

◆Tの自己紹介をして見せ、Sにも同様にさせていく
1.はじめまして。カキアゲです。日本の~から来ました。どうぞよろしくお願いします
を板書し、
2.練習
1.最初に板書した文を「。」で区切って一文ずつ指し示しながら意味を確認

2.「。」で区切って一文ずつ全体リピート練習させ、個別に当てて言わせる

3.Sを一人前に連れて来て、Tと2人で自己紹介を披露。終わったらそのSを席に戻し、それぞれのペアでやるよう促す

4.全員に一人ずつ自己紹介を立ってやらせる

あいさつ表現

◆あいさつ導入
1.「おはようございます」をTが板書、発話
2.おはようございます、こんにちは、さようなら、こんばんはのPCを見せながら、いつ言うのか状況をPCで入れていく

◆練習(全てお辞儀をしながら発話する)
1.板書の「おはようございます」を指しながら、一文字ずつゆっくり全体リピート
2.普通の速度で「おはようございます」を全体リピート
3.各Sに当てて言わせる
4.おはようございます、こんにちは、さようなら、こんばんはも同様に入れる
5.PCをWBに貼り付け、QAでTS、SS同士であいさつをさせる

日常使われる簡単な言葉・会話

◆導入
1.Sを1人呼ぶ。つり革につかまっているG。Sの足を踏んで、Tがすみませんと言う。②Sの名前を一度聞いてもう一度申し訳なさそうに聞き直す
2.Tが手一杯に荷物を持ち、ドアの前に立って、ドアを開けようとするG。Sがドアを開け、Sに「どうぞ」と言うように促す
3.Tが「ありがとうございます」と言う。Sには「いいえ」と言わせる

練習1
1.「どうぞ・ありがとうございます・いいえ」を全体リピートしてから、各Sに当てて言わせる
2.Tがペンを探すG。Sがペンを貸してくれるので、どうぞ→ありがとうございます→いいえ、の流れで会話をする
3.ペア練習。同様の事をペアでやらせるように促す

導入2
1.Tが教室の外から入る。「失礼します」と言う。
2.S一人を教室の外に連れて行き、入って来させる。Sが「失礼します」と言って入って来たらTは「どうぞ」と返事をする

練習3
1.「失礼します・どうぞ」を全体リピートしてから、各Sに当てて言わせる
2.他のSにも導入2のようにして教室の外から入室させ、失礼します、中にいるSにどうぞ、を言わせる練習をする

教室用語

導入
1.教室用語のプリントを見せながら、Tが「聞いてください」と耳に手を当てながら言う。「見てください」も大げさに目を見開いて見るGをする。「もっとゆっくり言ってください」はTが早口で日本語を言い「もっとゆっくり言ってください」と言った後にゆっくり話すなどして全ての言葉が示す意味を大げさに動作で示していく

練習
1.それぞれの言葉を全体リピートした
2.「来てください」は手招き、「書いてください」は書くG、1~13それぞれの動作だけをTがし、Sにその動作が1~13のどれを示しているか考えさせ、当てさせる

実践
1.実際にSがTの示す教室用語で指示通り動くか試す

数字 導入・練習

1.1~6をゆっくり言いながら、板書
2.7~12
3.全体リピートした後、Tが指した数字を個別に言わせる
4.S一人を前に呼ぶ。Tが数字を読み上げ、Sがその数字を書く
※5は余裕があるクラス
4.導入・練習1と同様に13~99も入れる

日付

T:おはようございます。今日は?(カレンダーを指す)
S:1月16日です。水曜日です

確認:1日~31日をカレンダーを見て言えるか
◆まずは11日~31日を練習。全体でリピート。次に個別に当てて言わせる。
T:(カレンダーの11を指して)これは?
S:じゅういちにち(リピート)
T:これは?
S:じゅうににち(リピート)

T: (カレンダーの11を指して)S1さん、これは?
S1:じゅういちにち
T: (カレンダーの21を指して)S2さん、これは?
S2:にじゅういちにち

◆1日~10日(答えられないようならTが先に言ってから、Sに発話させる)
T: (カレンダーの1を指して)これは?
S:ついたち(リピート)
T:これは?
S:ふつか(リピート)

T: (カレンダーの1を指して)S1さん、これは?
S1:ついたち
T: (カレンダーの2を指して)S2さん、これは?
S2:ふつか

◆21日と1日、4日と8日の音に注意しながらリピートして確認
T: (カレンダーの1を指して)S1さん、これは?
S1:ついたち(リピート)
T: (カレンダーの21を指して)S2さん、これは?
S2:にじゅうついたち
T:にじゅういちにち。(カレンダーの2を指して)S3さん、これは?
S3:ふつか(リピート)

T: (カレンダーの4を指して)S1さん、これは?
S1:よっか(リピート)
T: (カレンダーの8を指して)S2さん、これは?
S2:よっか
T:ようか(リピート)

◆最後に誕生日をTS、SSで尋ねる

金額

確認:金額を見てパッと値段が言えるか
◆1円~10円をまずTの手を見て全体で答えさせ、全体でリピート。
T:これは?(人指し指を立てる)
S:いちえん(リピート)
T:これは?
S:にえん(リピート)

◆個別に当てて言わせる(素早く。4・7・9円を多めにやる)
T: (5本指を立てる)S1さん、これは?
S1:ごえん
T: (9本指を立てる)S2さん、これは?
S2:くえん
T:きゅうえん

◆その後11円~99円をFCで読み方確認(答えられなかったものはリピート)→100の位を読み方確認→最後にFC(1~999円)で素早く確認。1000円以上は質問があれば少し触れる程度に留める

◆実際にTS→SSの順で買い物をさせる
T:いらっしゃいませ。(お菓子を指して)

◆数字を使ったゲームで練習

BINGO導入
1. Tがまずシートに数字を書き、数字を3つ言う
2.BINGOした紙を見せて喜ぶG
3.シートに好きな数字(0~30)を書かせる

BINGO開始
1.Tが数字を一つ一つゆっくり言い、言った番号は板書し残しておく
2.机間巡視して、ビンゴした人が出たら賞品授与(飴)
3.次はビンゴしたSに数字を読み上げさせていく

電話番号

学校の電話番号を全体でリピート後、個別で言わせる
適当な電話番号を板書し、各Sに当てて言わせていく
110番導入
1.電話番号のシートを見せる。110と119を板書。Sを一人前に呼ぶ
2.前に来たSに財布を持たせ、それをTが取る
※.以下3~5は余裕があるSならするが、無理そうなら入れない
3.110と119を交互に指しながらSにどちらかを選ばせる
4.Sが110を選んだら、「ひゃくとおばん」と読むことを教え、全体リピート
5.最後に個別に当てて、読み方ができているか確認
119番導入
1.苦しむGをして、倒れる
2.Sに110か119を選ばせる。百の位はやっていないので、読み方を確認
3.119番を全体リピート
4.最後に個別に当てて、読み方ができているか確認

時間

導入
1.1時~12時を板書し、それぞれ読み方を確認
練習
1.板書した時間を1時から順に全体でリピート。Tが指した数字を個別に言わせていく

新出語

この課で学ぶ語は全て『必要最低限中の最低限』、学生もかなり早い段階で覚える。それは『使う』からだ。言語習得において使うものは覚えるのである。それだけに、ここでしっかり最低限の語を教え込まなければならない。

授業記録

1.電話番号についてはこちらの課でも触れる

2.
教師用メモでも述べたが、漢字圏かどうかは関係なく、字形は初級の始めだとかなり酷い。 字形については、こちらも併せて参考にしてほしい
参.初級学生のひらがな・カタカナ誤用例と直し方のコツ

3.依頼の形は難しいが、て形や文型云々は抜きにし、表現として、必要な学生には教えた方がいい。
参.お願いの形4種

4.0初級個人授業の学生への指導
集団授業の場合は上のやり方で構いません(N1etは集団授業用なので)。問題は個人授業の場合です。個人はとにかく融通がきかせやすいです。「文字は要らない。とにかく口頭での日本語能力のみを養いたい」「文字や文型のみに力を入れたいので、口頭は要らない」、本来人によって要望は違うものですが、集団だと全ての要望に応えられないものに個人なら一つ一つ応えられます。
学習とは文字にしろ口頭にしろ、何を鍛えるにしても地道なものから始まります。いきなり「会話しよう!」「日本語のゲームで楽しく勉強しよう!」と思ってもできません。ゲームをするためのルールも説明できない。
口頭ならまずは発音です。いきなり会話をしたり、会話のビデオを見せたりしてはいけません。そもそも0の人に映像は無理です。2人で映像を見終わった後何ができるでしょうか。何もできません。話せないし聞けないのですから。まずは発音→簡単な教室言葉(見てください・読んでください等)です。そして、たとえ「文字は要らない!」と意固地になっている学生だとしても、五十音は見てわかるようにしないと、こちらの指示すら通りません(=学習の大きな妨げになる)。
文字や文型だけが必要だと言い張る人も同様で、口頭も一緒にある程度は伸ばしていかないと、やはりこちらの指示が通りません。
参.はじめて初級クラスを持つ先生へ

コメント