【JLPT N2】「か~ないかのうちに」 

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「か~ないかのうちに」【N2】

用法

≪接続≫
 V辞書形+か+Vナイ形+ないかのうちに
┃以下接続例
    V:
する+か+し+ないかのうちに
    A:
なし
  Na:
なし
    N:
なし

≪意味・使い方
 XかXないかのうちにY。

  1. Xの直後にYをする <no sooner do Y after X>
  2. XとYはほぼ同時である
  3. 自分のことをいうときには使えない
  4. Yには意志・命令・依頼などは来ない
Teaching Points
1.Yに意志性の文は基本的に不可だが、「~てください」のみ可能な場合がある。可能な場合はXが自動詞的な言葉である事が多い(と思う) 
 ✕学校を卒業するかしないかのうちに、彼と結婚するつもりです。
 ✕A社に着いたか着かないかのうちに、こちらに電話してください。
 〇卵が固まるか固まらないかのうちに、取り出してください。
2.「Xないかのうちに」といっているが、Xをしている途中ではなく、必ずXが終わってからYを行う。あくまで「ほぼ」同時である
3.前件と後件の主体が同じでも、違っていても自分の事には使える
  例:私が電車に乗ったか乗らないかのうちに、ドアが閉まった。

例文

彼は話を聞き終える聞き終えないかのうちに、部屋を出た。

観客は映画が終わる終わらないかのうちに、席を立ち始めた。

タクシーが目的地に着く着かないかのうちに、降りる準備を始めた。

恥ずかしかったので、歌う歌わないかのうちにやめてしまった。

いただきますを言う言わないかのうちに彼は肉料理に手をつけた。

チャイムが鳴り終わる終わらないかのうちに学生は教室を飛び出した。

家のドアを開ける開けないかのうちに子ども達が駆け寄ってきた。

私が眠りにつくつかないかのうちに彼女は帰ってしまったようだ。

類似文型とその違い

「たとたんに」【N3】
「と思うと」【N2】
「がはやいか」【N1】
「そばから」【N1】
「なり」【N1】
や否や(やいなや)」【N1】

「か~ないかのうちに」を含め、これらはすべて「XたとたんにY」「Xと思うとY」のように使い、「Xの直後にY」という意味を持つ文型で、XとYがほぼ同時に起こることを表します。XとYの主語は同じでも異なっていてもかまいません。

これらの文型は、使う場面やニュアンスが微妙に異なります。

まず、使う場面についてです。「たとたんに」「と思うと」「そばから」は、会話でもよく使われます。「なり」「か~ないかのうちに」は、頻度は高くありませんが会話で使われます。「が早いか」「や否や」はかたい表現、書き言葉として使われますが、「や否や」の方がよく使われます。

次に、それぞれの文型が持つニュアンスです。「たとたんに」は、突然起こったマイナスな変化について言いたいときによく使います。例えば、「彼は就職が決まったとたんに学校を休むようになった」のように使います。

「と思うと」は、XとYが反対の行為である時によく使います。例えば「彼は怒ったかと思うと笑いだした」のように使います。自分のことを言うときには使えません。

「か~ないかのうちに」は、これらの文型の中では一番XとYがほぼ同時であることを強調することができます。例えば、「彼は話を聞き終えるか聞き終えないかのうちに、部屋を出た」のように使います。

「が早いか」は、XとYとどちらが早いかわからない、とYの早さを強調することができます。例えば、「ベルが鳴るが早いか彼は急いでトイレへ走った」のように使います。

「そばから」は、何度XをしてもすぐYになってしまう、というマイナスな繰り返しを言うときに使います。例えば、「大切な話を聞いたそばから忘れてしまう」のように使います。

「なり」は、Xの状況のままYをする、というときに使います。Yは話者にとって望ましくないことが多いです。例えば、「彼は授業が始まるなり寝てしまった」のように使います。

「や否や」は、Xが終わるのを待ち構えていた、というニュアンスがあります。例えば、「彼は授業が終わるや否や教室を飛び出した」のように使います。

このように、これらの文型は全て「Xの直後にY」という意味ですが、使う場面やニュアンスが異なります。まとめると以下の通りです。

  • XたとたんにY」:突然起こったマイナスな変化<会話◎>
  • Xと思うとY」:XとYが反対の行為である<会話◎>
  • XかXないかのうちにY」:XとYがほぼ同時であることを強調<会話〇>
  • Xが早いかY」:XとYとどちらが早いかわからない<書き△>
  • XそばからY」:マイナスな繰り返し<会話◎>
  • XなりY」:Xの状況のままY(話者にとって好ましくない行為)をする<会話〇>
  • Xや否やY」:Xが終わるのを待ち構えていた<書き◎>

教え方・導入例

「本を開ける→閉める→開ける・・・」を繰り返して見せ、開ける瞬間閉める瞬間の間に寝てしまうんだよというジェスチャーをして見せるとよいでしょう。

T:S1さんはいつもすぐに寝てしまいます。いつ寝ますか。本をーーー・・・開けます、開けません、この間に寝ます。
T:私は本が大好きです。でも、毎日忙しいですから、すぐに寝てしまいます。いつ寝ますか。本をーーー・・・開けます、開けません、この間に寝ます。

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