最初に中級以上を担当させられる悲劇、初級を経る大切さ

日本語教育機関では、上のレベルにいけばいくほど静かになります。初級からしばらく離れていると、初級の喧騒が懐かしくなります。

初級クラスばかりの学校

今はどの学校も初級クラスが全体の過半数を占めているのではないでしょうか。これは再履修が多『過ぎる』から起こっている現象。漢字圏のためだけに授業をやってきた日本語教育機関が多かったため、まだこの非漢字圏の留学生の爆発的な流入に対応しきれていないのです。

教師用、学生用問わずテキストを見ればわかります。少しずつですが、各出版社から出ていますが、まだまだ非漢字圏留学生の言語に対応した本はあまりありません。

再履修地獄

初級が過半数を占めるといっても、ずっと初級にいることは無理なのです。仕方なく進級させるという事態が起こっています。進級させる理由は「もう初級がいっぱいだから入らない」です。

それを繰り返すとどうなるのか。簡単です。レベルに合っていないものを学ばせることになり、ひらがなも十分に書けない学生が中級レベルのものを学ばされるのです。
「いやいや、レベル調整しろよ」と思う人が多数いるだろうとは思いますが、そうもいかない理由がたくさんあります。

例えば、初級を教えられる教師がいない事。初級をやった事もなく、中級や上級から教師をやっている人は多いです。さぞ教えにくいんじゃないかと思います。
「全ての基礎」である初級を経ずいきなり上を教える、どうやって授業を組み立てているのか想像もつきません。

最初に中級以上を担当させられる悲劇

いきなり中級を担当させられるのは、年配の方に多いのですが、確かに需要と供給(?)は間違っていないと思います。話題が高度になるという事は年長者の方が適任であり、逆に年長者に初級は難しいものがあるというのも一理あるでしょう。初級は顔ぐちゃぐちゃにして、1コマ1コマが運動会レベルに体を動かし、声を張り続けますから。

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しかし、初級で学生がどんな勉強をしてきたのか知らない状態で中/上級が教えられるとは到底思えません。例文命の中級ならば、なおさらです。
i+1。それのi(インプット)の部分が初級だと考えると足す元のiすらなければ+1も+2もありません。

色々書きましたが、やはり日本語教育1年生は年齢に関わらず初級を持たせた方がいいです。

かたくなに初級を嫌がる先生もいれば、校長に初級をやらせてくださいと言いに行くベテラン先生もいます。それはやはり初級の大切さを知ってるから。そして、初級が日本語教師という職業のハイライトだと知っているからです。

教師として初級を経る事の大切さ

を以下にまとめてみます。

  1. 上のクラスが何を、どんな教材で学んできたかが総合的にわかる
  2. 中級文型等教える際のより易しい比較文型の知識がある
  3. 授業で難解語を説明する際のより易しい語がわかる
  4. 初級で作った教材は当然易しく、上のレベルで使い回せるものも多い

1つ目は上で述べた通りですが、2つ目と3つ目について。中級レベルの語を説明する際に必要なのは初級レベルの語です。上級レベルは中級レベルの語で説明します。他にも様々ありますが、教師として初級を経るという事は、教師の成長にとっても、学生の理解にとっても、重要なのです。

もしこれを読んでいるあなたが、リタイアした方で、これから日本語教育の世界に飛び込むつもりでしたら、学校の面接で「まずは初級でお願いします」と一言言ってみてください。やる気があると思われると同時に、その初級を経たという経験があなたの大切な財産となるでしょう

※通常黙っていても初級になる事が多いですが、やはり年配の方ですと初級より上という事がよくあります。

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