初級おすすめ参考書

目次

教師用参考書

みんなの日本語はいくつか新旧で種類があり、購入前には学校がどれを使っているか確認の事。みんなの日本語 1版は時代遅れな語があり、11課の「行ってまいります」は『武士か!』とツッコミたくなるし、「カセットテープ」などの言葉はカタカナのテストなどでは使うが、授業ではほとんど出番を与えない。
絵カードはこちら→みんなの日本語 初級I 第2版 絵教材CD-ROMブック

みんなの日本語の手引き。下の手引きより新しい物だが、詳しさという点では下四冊に圧倒的に劣る。しかし、基本的なことはおさえており、進行の仕方も丁寧に書いてあるので、持っておけば安心する。
そしてこの本の巻末には、各課の新出語が品詞ごとに載ってあり、教案やテスト作成の際に役に立つ。その新出語のページをコピーし、教案や教科書に張り付けて、語彙コントロールできる。
「クリック中身検索」あり。

みんなの日本語の詳しい手引き。1課~13課を扱う。
悪い点は特にないが、お金がないなら無理して買わなくてもいいかもしれない。みん日の最初の方は『これぞ文型!』というものは出ず、動詞、形容詞の活用をフラッシュカードなどで練習、頭に叩き込むためにとにかく発声して覚える、語彙数を増やす、文字に慣れる期間なので、このテキストがなくてもそんなに困らないだろう。
しかし、初日の授業が1課5課の時などは、やはりこれがあると安心できる。みん日を使わない学校で教えていても、このシリーズは持っておきたい。

みんなの日本語の詳しい手引き。14課~25課を扱う。
このシリーズは全部で4冊あるが、このテキストからはお金がなくてもどうにか三冊揃えたい。私が新人の頃はこれを授業前に見て、何度も頭の中で文法事項を整理していた。
4冊すべてに言えるのだが、やはり情報の古さは否めない。私個人の語感にすぎないのかもしれないが、今では普通そう言わないだろうと思う事も是として書かれている事が数か所あるので、そこは省くなどの配慮が必要。文法事項についての説明などは全く問題ない。

みんなの日本語の詳しい手引き。26課~37課を扱う。

この辺までくるとだいぶ学生も文型を覚えてきて、類似文型との混同に迷いがち。それらの比較も載っているので、助かるだろう。
26課 「どうして」に対しての答え方「からです」「んです」の違い
27課 可能動詞「見える」「見られる」の違い
29課 助詞「は」用法のまとめ
32課 推量の「でしょう」「と思います」の違い
34課 「Vてから」「Vたあとで」の違い
35課 3ページにわたる条件の「と」「たら」「ば」のまとめ
36課 「てください」「ようにしてください」の違い
などのどの教科書を使うにしても初級を教えるなら知っておくべき事項盛りだくさん。

みんなの日本語の詳しい手引き。38課~50課を扱う。
38課 「Vこと」「Vの」違い(走る こと/の が好きです)
39課 理由を表す「て」「から」「ので」の違い
41課 授受表現の指導法
43課 赤そう、きれいそう、有名そう、とはなぜ言えないのか
50課 敬語の指導法
このシリーズ、全てに共通して言えることだが、詳し過ぎる事に注意。学生のレベルに合わせて、どこまで教えるのか、どこを教えないのかは、自分の判断で取捨選択すること。間違ってもできないクラスに、これに書いてある事全てを教えないように。学生だけでなく、先生も半べそで授業を行うことになる。

  

『何ができるようなるのか』に重点をおいた教科書。ちゃんと使い方を理解し授業を行えば効果の高い教科書。
それから、授業のはじめと終わりに当日の課題を提示するのを忘れないように。可能ならプロジェクターでイラストをWBに映し出して使うとなおよし。
初級、初中級、中級までがある。みん日から移行する方のために、分かりやすく言うと

  • 初級(赤)~初中級(黄):みん日50課相当
  • 中級(青)       :いわゆる中級のテキスト相当

それぞれ中身検索もあるので、見てみるといい。青からぐっと雰囲気が変わっているのがわかる。赤と黄はみん日で扱う文型も多くあるので、移行しても教材はある程度そのまま使えるものも多いが、語がかなり違うのでそこは注意が必要。それから移行組の注意点として、赤~黄とみん日Ⅰ~Ⅱでは当然文型の提出順序が違う。例えば、みん日には「~ことになっている(規則)」がないが黄にはある。
赤から青まで通してやってみるとこの本のすばらしさに圧倒される。まず、みん日にもあるストーリー性(課をまたいだ繋がりや人物)がこちらの方が強い。そして、繰り返す事の重要性もよく理解されてとても丁寧に作られているので、例えば『自己紹介』という題材で教える場合、赤なら1課、クラス内の会話で出身や所属を、黄なら1課、バイト先で好きな事やできる事を、そして青1課は交流会などでの会話で高度な、相手に自己を印象付け、性格なども言える紹介を扱う。一概に『自己紹介』といってもこれだけ豊富な場面、さらに扱う文型もあるのだ。
それから、文型の持つ役割をきっちり分担されているのも学習者にとっては混乱を避けながら理解するのに大変有効である。「~そうです」を例にとってみると、

  • 初15-1 そうです(伝聞)
  • 初中2-1 Aそうです(様態)
  • 初中6-2 ~そうです(予測)
  • 初中9-2 Vそうです(直前の様態)
  • 初中10-2 AそうV(副詞的用法)

と分けられている。これはみん日ならばL43で一気に(様態・直前・予想)を教えるため混乱必至となる。
この文型の分担は教師にとっては文型や教材整理の手間になるが、教師の手間など学生の理解のためなら二の次三の次なのでまったく問題ない。

◆併用教材
教え方ガイド&イラストデータCD-ROM
わたしの文法ノート 初級わたしのことばノート 初級
漢字たまご 初級
教え方ガイド&イラストデータは付属のCD-ROMに膨大なイラストが入っているので、どの教科書を用いるにしても一冊買っておけば文型の状況イラストや練習用のイラストを探しにインターネットを右往左往する必要もなくなる。

◆不満
実際の会話に近づけるためなのだろうが、会話内でちょっと過剰ではないかと思えるぐらい文頭に「あ、」がある。全部削除する必要はないだろうが、次回改訂時には検討してほしい点である。

学生用の参考書、問題集なのだが、教師が読んでもとても参考になる。できれば早めに手に入れて、文型の整理に役立てたい。
それぞれの項ではとても見やすく、授受表現や敬語、活用など、初級で絶対におさえておきたいポイントがちゃんときれいにまとまっている。対訳は英語・中国語・韓国語が解説のところにあるが、問題にはついていない。
ただ、これは飽くまで初級を終えた学生が復習のために買うものなので、例えば助詞ヲを教えるためにこれを授業で使っても、助詞ヲが初めて出てくるような段階では使えない。ヲの用法を解説するのに40課の文型を使って解説したりするからだ。要は初級を消化しないと本書はフル活用できないということだ。
やり方しだいでは、修正液で消して使ったり、切り貼りしたりして使うこともできる。とてもわかりやすいし、対訳もついている本書なので、私は初級が途中でもそうして使うようにしている(が、だとしても使い始めるのは早くても40課辺りからにした方がいいだろう)。

タイトル通り、どうやって教える?に答えてくれる本。文型ごとではなく「推量」「様態」などのようにそれぞれ分かれており、推量では「ようです」「らしいです」「はずです」などが扱われ、それぞれの比較、説明、例文などを絵などを使って解説している。
豊富なアクティビティも紹介しており、巻末にはそれに使う絵が載せてある。拡大して学生に配ったり、教師が手に持って使用できる。
とりあえず初級を初めて持つ先生は何をしたらいいのかわからないので、これを参考にしてもいい。
リンク先に「クリック中身検索」あり。

  

全て「中身検索」あり。左から『留学生用』『表現の学習用』『会話での表現を学ぶ用』だ。おすすめは左端で、2つの文型を比較したマンガを4コマで紹介している。豊富な例文と練習問題もあり、読んでいて単純におもしろいと思うと同時に作った方々の苦労を考えると涙が出てくる。しかし、文型の説明が違うと思えるものもあるので、それは教師の裁量に任せる。

 

「りんごかもしれない」という絵本はL32「かもしれません」で使える本で、元々子ども用なのだが、大人が読んでも楽しめる哲学的で深い絵本。内容はリンゴが実はみかんかもしれない、赤い魚かもしれない、中は機械かもしれない、色々な可能性を考え、想像を膨らませるもので、教室が広い場合は拡大して使うと食いつく。うまく文型も入るのでおすすめ。右端の「ぼくのニセモノをつくるには」は次回作。興味があれば併せて買うといいだろう。

活動用参考書

ほか活動の参考に。自分でワークシートを作ることもあるでしょうから、そのお手本として、どうやって作ったらいいかを参考にできます。私がよく参考にしているのは2つ目のクラス活動集。発売日は古いですが、ゲームの内容はいいです

みん日教材分析対象

①みん日 初級1 主に宿題などに使う本

③みん日 初級1 翻訳された文法が詳しく載った本

⑤みん日 初級1 みん日の教え方が簡単にわかる本

⑦みん日 初級1 授業中などに使える本

②みん日 初級2 主に宿題などに使う本

④みん日 初級2 翻訳された文法が詳しく載った本

➅みん日 初級2 みん日の教え方が簡単にわかる本

⑧みん日 初級2 授業中などに使える本

①②:主にSの宿題として。しかし、これは手引きの次に開く機会の多いもの。問題作成のヒントが多く盛り込まれ、テスト作成の際にもこれを基に作ることも多い。
③④:Sに配布する場合としない場合があるが、どちらにしても教師は持っておく。みん日で教えきれないもの、教科書では載せていないが載せた方がいいものがある。所々にあるPCは授業でも大変有益。
⑤➅
必須。全初級用参考書の中でも最も早く入手すること。
⑦⑧:文型練習帳(文練)。授業中使えそうなプリントなどがある。
しかし、ほとんどそのままでは使えず、飽くまで参考にしてそれを基にプリントを作る。これも③④同様PCが役に立つ。
みん日などの教科書(メイン教材)だけでなく、練習などに使う聴解や読解のテキストなど、みん日に準拠した副教材も読み込みが必要

絵カード用のテキスト

よく絵カードはどこから引用しているか、どのテキストがいいかと聞かれるのでこちらにまとめておく。④が最もおすすめ。
   
①と②はみん日に準拠しているのでみん日を使っている学校ならば引用しやすい。さらにはただの聴解だと思うかもしれないがこれが結構使える。絵が豊富にあるので練習BでもCでも他活動なり導入なりでどこでも使える。それから、これはみん日準拠ではなく、文型ごとにわかれたものなのでどの教科書を使っていても問題ない。は付属のCD-ROMに膨大なイラストが入っているので、どの教科書を用いるにしても一冊買っておけば文型の状況イラストや練習用のイラストを探しにインターネットを右往左往する必要もなくなる。

学生用問題集

 

この動物の載った表紙のシリーズ(「クリック中身検索」あり)のは見た事がある方も多いかもしれないが、改めて紹介する。
学習者用の参考書だが、独自に問題を作る時や、文法事項の整理にも役立つ。語彙なども大変素晴らしい。ポイントなどを抑えた解説が参考になる。
日本語能力試験が改定されて早い段階で出版された本だが、十分に対応している。他にも①学習者の生活になじみのある話題とイラスト付き、②訳は英 語・中国語・韓国語の3つで、理解が遅いクラスにも対応できる。③見開き2ページで見やすい。
など、教師にも、学生にも嬉しい作りになっている。
リンク先に「クリック中身検索」あり。

漢字を教える際の参考書は本当に悩む。提出順序や説明、その漢字を使った単語など、本によって実に様々なので、対象のニーズによって厳選しなければならない。この参考書は「ちなみに」私がいいと思ったものなので参考までに。
構成はお手本となる漢字があり、その漢字を使った単語がいくつか列挙され、下には書き練習用のマスが並ぶ、といった形。よくある構成なのだが、なぜ私がこれを気に入ったかというと、課ごとに【駅】【教室で】【私の町】【部首】という風に、テーマが分かれているからだ。特に【部首】は秀逸。巻頭には各国語訳 で『部首』『書き順』の概念を説明している(非漢字圏にはこれをまず説明しないと始まらない)。
もう一つ気に入っているのが、それぞれの課の間にあるコラム。「朝・昼・午前・夕方」をわかりやすく図にしたものがあったり、漢字を楽しく学べるものが載っている。

結局どれ買えばいいの?

ここにあるのは多いように思いますが、飽くまで『最低限』です。本気でやっている方ならここにある参考書+数十、数百冊は家にあります。各レベル上にあるものは家に置いておいた方がいいでしょう。とはいっても、やはり準備の割に給与が少ないこの仕事なので、まずは『最低限中の最低限』のご購入をお勧めします。以下にあるものは必携です。
 初級:手引きシリーズの2冊は当然なのだが、秘訣シリーズ4冊も可能な限り早く
中級:文型比較ができるこちらの辞典は最低限。併せて買いたいのがこちらの辞典
全級:八方塞がりの時に助けてくれる最強の辞典

当サイト、管理人による日本語教師養成プライベートレッスンを行っています(skype可)。詳細はこちらをご覧ください。

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